転校生と主役たち【wrwrd】 (ページ15)

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表情ページ15

「ハハハハハハハ！」

笑い声の正体はグルッペンさんだ。
彼の声はバリトンボイスなので、笑い声がとても邪悪で、正直言って魔王みたいだ。

「裏川A、面白いな、覚えておこう。そろそろ5限目が始まるから俺は戻るぞ」

そう言い、グルッペンさんが保健室を出て行った。

少女漫画でよく見る、おもしれー女、状態になってしまったが、私と彼が恋仲になることはないだろう。

「鬱先生、私たちも戻ろう」

「Aちゃん、もしなんかあったら俺のこと頼ってな」

『わかった、ありがとう』

2人で肩を並べて教室まで戻る。

私が教室に着いた瞬間、シャオロンが駆け寄ってきて

「A！なんやその怪我！大丈夫か！」

と言ってきたので、階段で転んだと返しておいた。

そして気づけば帰りの時間。

昨日通り教室でロボロを待つ。

「Aー！迎えに来たで！え…その怪我どうしたん…？」

ロボロのよく通る大きな声がだんだん小さくなっていき、明るかった顔も暗くなってしまった。そんな顔をされるとこちらの気分まで下がる。

『これ？階段で転んだ』

「ほんまに…？誰かにやられたりしとらん…？」

『それだったらとっくにロボロに報告してるわ』

よし、いい感じにロボロを騙せた。少し罪悪感があるが、これもロボロのためだ。

「そうか…ならええんやけど…今日はもう帰ろか、送ってくわ」

ロボロが手を差し出してきたので、その手を掴み、2人で手を繋いで帰る。

途中、どこからかシャッター音が聞こえた。

「おるな、ストーカー。危ないし今日はここで別れよか、たぶんストーカーは俺の方についてくるし」

『わかった。じゃあ、また明日』

「…A、本当になんかあったら言ってな」

ロボロが私をまっすぐ見て、そう言う。
ビビットピンクの瞳が、光を反射してきらきらと輝いていて、とても綺麗だ。

『わかってる。ロボロこそ、私より自分の心配しなよ』

そう言うと、ロボロの表情が一瞬、とても苦しそうなものに変わった。