Mafia . 28 ページ32
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六つ子に顔だけ見せにダイニングルームに来た。
俺の顔を見た瞬間、六つ子は、ほっとしたのかポカンと口を開けてフリーズしてしまった。
だが、六つ子はすぐにへらりと笑ってみせた。
そして、
おかえり、と、
遅かった、と、
待ちくたびれた、と、
言った。
もちろん笑顔で。
『ここは、お前等に任せたよ』
と、俺も笑顔で言い、ダイニングルームを後にした。
俺は、ゆっくりと歩きながら彼奴が待つ場所へ向かう。
愛用している拳銃をガチャガチャといじりながら歩いていると、目的の場所に着いた。
いつもはノックをしてから部屋に入るが、今日はそんなことはしない。
ドアを開け、部屋の中に入る。
部屋のドアをそっと閉めたところで、彼奴は椅子の向きをくるりと変えた。
「…やっと来たか…待ちくたびれたぞ」
『お待たせ……クソ親父』
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もう何年も前の話だ。
私には妻と子供がいた。
子供は素直で良い子で、妻はとても美しい人だった。
家族3人、そして部下や執事、メイドたちと、幸せに暮らしていたはずだった。
拗れてしまったのはいつからだろうか。
私は、酒に酔った勢いで、鞄で子供を思いっきり殴った。
次は、勉強が全く出来ていなかったので、頬を思いっきり引っぱたいた。
その次は、体術が全く出来ていなかったので、思いっきり蹴り飛ばした。
思えば、この時から既に拗れてしまっていたのか。
殴ったこと。
引っぱたいたこと。
蹴り飛ばしたこと。
そして、愛している。と言ってしまったこと。
" 酷いこと " という言葉だけでは済まないようなことをしてしまった。
子供も、
妻も、
私には愛する資格などない。
今になってとても後悔した。
「…駄目な親父でごめんな
……A」
『今更遅せぇよ。
父さん』
乾いた銃声が鳴り響いた。
最期に、私を父さんと呼んでくれてありがとう。
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ミクス - エ?何コノ話? 物凄くいいですね!私にもこんな文章力があれば…! ていうか本当に良い話ですね!クズマフィア?変な愛情植え付けられたただのイケメンジャマイカ! (2018年10月29日 20時) (レス) id: 589b89f7ba (このIDを非表示/違反報告)
おみや(プロフ) - 白雪?さん» コメントありがとうございます!私もメイドさんとくっつけたいなって思いながら書いてます…← (2018年4月28日 22時) (レス) id: b5c4769cf4 (このIDを非表示/違反報告)
白雪?(プロフ) - 、、、もうメイドさんとくっついてよ、、、切ないよ、、、 (2018年4月27日 20時) (レス) id: 8403ebf52e (このIDを非表示/違反報告)
?___ニャチャ??*????(プロフ) - おみやさん» 待ちます!!待ちます!!ずっと待ってます!!!!!!!!!!!!!!! (2018年4月5日 19時) (レス) id: b942457534 (このIDを非表示/違反報告)
おみや(プロフ) - ?___ニャチャ??*????さん» コメントありがとうございます!大好物ですと…!?あ、あ、死なないでください!笑 亀更新ですが気長に待って頂けたら嬉しいです…! (2018年4月5日 16時) (レス) id: b5c4769cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おみや | 作成日時:2013年10月5日 22時