Mafia . 18 ページ21
×
side おそ松
「じゃあさ、俺がAさんに、愛を教えてあげるよ。」
何も考えずに言ったんじゃない。
すごく考えた。
馬鹿なりに、すごく考えてから言った。
だって、こういうこと言わないと、消えてしまいそうな、そんな気がした。
この人は、全然弱くなんかない。強くて、面倒くさがりで、酷い人だ。
だって、俺のこと思いっきり殴ったし。
でも今考えると、あれは、この人にとっての愛情表現だ。
歪んだ愛情表現。
それは、自分が今までそういう風に愛されてきたから。それが正しいと思ってしまっているのだろうと思うと、悲しくなる。
だから、俺が。俺達が、この人に愛を教えてあげなくちゃって思った。
歪んでない愛を。
「…Aさんに、ちゃんと教えてあげるから」
聞こえないように言った。
でも、聞こえていたみたいで。
『…ん、教えて』
そう言って、俺を思いっきり抱き締めた。
ふわりと香るシャンプーの良い香り。
俺は、そのまま意識を手放した。
______________________________
____________________
おそ松を抱き締めたままぼーっとしていると、小さな寝息が聞こえた。
おそ松の方を見てみると、俺にくっついたまま寝てしまったようだ。
おそ松を自分のベッドに寝かせる。
毛布を掛けるのは面倒なので、近くの椅子の上に置いてあったブランケットを掛けてやった。
コートのポケットに、携帯と煙草、ライターだけを入れて部屋を出る。
置き手紙を置くのも忘れない。
そっと家を出ると、車が停まっていた。
車に無言で乗り込む。俺が乗ったのを確認すると、車は発車した。
数十分もすると、大きく立派な家が山の中に見えてきた。
車を降りて玄関の前に立つ。
深呼吸をしてから、玄関のドアを開ける。
ここの家は土足のままでも問題はないので、靴を脱がずそのまま家の中に入る。
誰もいない静かな廊下を少し歩き、一番奥の部屋に着く。
また深呼吸をしてから、ドアを開けた。
『来たよ。
クソ親父。』
ごめんね、おそ松。
俺、この人から離れられない。
この人から離れたら死んじゃいそうだよ。
それくらい、この人に依存してる。
歪んだ愛情表現に依存してる。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミクス - エ？何コノ話？ 物凄くいいですね！私にもこんな文章力があれば…！ ていうか本当に良い話ですね！クズマフィア？変な愛情植え付けられたただのイケメンジャマイカ！ (2018年10月29日 20時) (
レス) id: 589b89f7ba (このIDを非表示/違反報告)
おみや(プロフ) - 白雪?さん» コメントありがとうございます！私もメイドさんとくっつけたいなって思いながら書いてます…← (2018年4月28日 22時) (レス) id: b5c4769cf4 (このIDを非表示/違反報告)
白雪?(プロフ) - 、、、もうメイドさんとくっついてよ、、、切ないよ、、、 (2018年4月27日 20時) (レス) id: 8403ebf52e (このIDを非表示/違反報告)
?___ニャチャ??*????(プロフ) - おみやさん» 待ちます！！待ちます！！ずっと待ってます!!!!!!!!!!!!!!! (2018年4月5日 19時) (レス) id: b942457534 (このIDを非表示/違反報告)
おみや(プロフ) - ?___ニャチャ??*????さん» コメントありがとうございます！大好物ですと…！？あ、あ、死なないでください！笑 亀更新ですが気長に待って頂けたら嬉しいです…！ (2018年4月5日 16時) (レス) id: b5c4769cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おみや | 作成日時：2013年10月5日 22時
