クズマフィアはクソガキ6人から愛を知る。

Mafia . 13 ページ16

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は？お前頭おかしいんじゃねぇの？

と、最初は思った。

最初だけ。





あの日から、殴られたり蹴られたりする日が多くなった。

殴られたり蹴られたりするのは、クソ親父の機嫌が悪いか、俺が失敗したとき。
鼻血を出したり、口の中を切ってしまったり、吐いてしまったり、なんてことはよくあった。
けれど、それは最初の頃だけで、どんなに鼻血を出したり、吐いたりしても、殴られ続けたりすることが多くなった。


そして、顔や身体中の傷が多すぎて出かけることが少なくなった。いや、少なくなった、ではない。出かけなくなった。

周りの人たちに、心配されるのが嫌だった。




前に、頬などにガーゼや絆創膏、頭に包帯を巻いて、気分転換に近くの公園まで散歩でもしようと1人で出かけたことがあった。

隣の家に住んでいる猫を撫でて、公園近くの猫を遠くの方でしばらく眺めて、ふらふらとしながら公園まで歩いた。

公園に着いてベンチで寄ってきた猫を撫でていると、近くに住んでいる人達がバタバタと駆け寄ってきた。

「酷い怪我ね」「誰にされたの」「可哀想に」





こんなとき普通の子なら多分、「痛かった」とか「父さんに殴られた」とか、泣きながら言うのだろう。嬉しい、だとか、助けてくれた、とか、思うのだろう。


俺は、このときから多分変わっていたのかもしれない。



心配されたとき、頭の中は、はてなマークでいっぱいだった。

『何で、そんな事を聞くの？』

と、駆け寄ってきた人達に聞くと、「酷い怪我をしているからよ」だとか言ってきた。




違う。違うんだ。




やめて。やめてよ。




この怪我は、そんなんじゃない。






『この怪我は確かに、父さんに殴られたり、蹴られたりして出来たもの…でもね、これは、この怪我はね、








__________父さんに愛されてる証拠なんだ。』




と言ったら、「気持ち悪い」「頭がおかしい」って言われた。









ガキの俺でも、ちょこっとだけ思った。





頭がおかしいのは、俺なのかもしれない。

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