通話相手はV

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「ヨボセヨ？」
「よ、よぼせよ〜、〈こんばんは、V……〉」

　昼間の件でドキドキしながら通話をかけたけど、Vはいたっていつも通りだ。

「〈あ、あの、昼間のメッセージだけど……〉」
「〈あー、取り消されてたやつ？ なんて書いてたの？〉」
「〈あっ見てないならいいんだ！ なんでもないから！〉」
「〈そう……？〉」

　よかったーー！ 通知も行ってなかったみたい！ 大事な親友を殺さなくて済む。

「〈そういえば、最近毎日通話してるから友達がAのこと知りたがっててさ〉」
「〈そっか、ルームシェアしてるんだっけ？〉」
「〈うん、Aの顔が見たいって言うんだけど、ビデオ通話とかできない？〉」
「えっっっ！！」

　まさかVの方からビデオ通話を切り出されるとは思わなかった。いや、実際はVの友達からなんだけど、でもどうしよう！ ブスだってバレちゃう！

「〈いやだったらいいけど……俺もAがどんな子なのか気になるから〉」
「えっっっ！？」

　なにそれ！？ どういう意味！？
　いや意味なんてないのかもしれないけど、やめてくれー心臓が痛い！

「〈えっと、えっと、じゃあちょっとだけ……〉」
「〈ほんと？ ありがとう、じゃあ――〉」
「あっちょっと待って！ ちゃっかんまんきだりょじゅせよ！」
「ok〜」

　メイク落としてなくてよかった！！ 対面講義なかったらそもそもスッピンだったわ！！
　ブスを隠すために申し訳程度にマスクをつけて、上げてた前髪も下ろして……。

「〈い、いいよ〉」
「〈じゃあビデオ通話にするよ〉」
「〈う、うん〉」

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