14 ページ14
「帰りはオッパがおぶってやるからな」
「えっ、いいよ、そこまでするほどの怪我じゃないよ」
「ダメ、オッパに心配かけさせたくなかったら大人しく言うこと聞いて」
「……んー」
結局帰りはミンギュに待っててもらい、一緒に帰ることになった。
しゃがんでわたしがおぶさるのを待っているミンギュの背中は広い。わたしはまだ中学生で軽いし、ミンギュは筋トレしているから体躯がいい。重いとかそういう心配はしていないが、運動した後のジャージ姿でくっつくのはすごく抵抗がある。絶対汗臭い。
「A？ どうした？」
「あっ、その……」
「早く、しゃがんでんの疲れちゃうよ」
えーいままよ、とミンギュの背中に体を預ける。ミンギュの首筋からはミントのような爽やかな匂いがして、ますます自分の汗臭が気になってくる。
「わ、わたし臭くない？」
「ええ？ 全然？ いい匂いするけど？」
絶対嘘だ。いやだー。
「Aも重くなったなあ」
「えっ、うそ」
「ん、赤ちゃんの頃と比べたらな」
「ああ……」
ミンギュの横顔を盗み見ると、なんだか幸せそうな顔して笑っている。わたしが赤ちゃんの頃のことを思い出しているんだろうか。
「そういえばね、クラスの女の子がミンギュのカトク知りたいってアイディー書いてくれたんだ。あとで渡すね」
「……いらないから捨てといて」
「えっ、でも……」
「どうせもらっても送らないから。クラスの子には渡したって言えばいいよ」
「……」
ミンギュはたまにこんな風に冷たい一面を見せることがある。せっかく書いたメモを捨てろだなんて。
もしかしてミンギュは女性不審だったりするのかな……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 593人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
んー(プロフ) - ??さん» 閑話休題みたいなお話は書きたいなと思っていたので、今後何かネタが湧き次第追加していこうと思っています。ミンギュ視点も書きたいですし…。応援ありがとうございます！頑張りますー！ (2021年6月12日 1時) (
レス) id: d739c5af4f (このIDを非表示/違反報告)
んー(プロフ) - ??さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！全てですか！？お気に入り作者登録までありがとうございますー！嬉しいです！思いつきで色々書いてます、楽しんでいただけたら幸いです！ (2021年6月12日 1時) (レス) id: d739c5af4f (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - もしよかったら親とミンギュ間ではどういう話がされていたのか、なぜお母さんもいとこと結婚ということに疑問を持たなかったのか、この後どうなっていくのかがとても気になるので書いていただけると嬉しいです！これからも他の作品含め応援していますお疲れ様でした。 (2021年6月12日 1時) (レス) id: cf1d61b197 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 完結お疲れ様でした！楽しく読ませていただきました！実はんーさんの作品は全て読ませていただいていて、お気に入り作者登録もしてます...笑 (2021年6月12日 1時) (レス) id: cf1d61b197 (このIDを非表示/違反報告)
んー(プロフ) - 長ネギさん» はじめまして！お気に召してよかったです〜！ミンギュはセブチ内でヤンデレが似合うランキング３位内に入ると思ってます。バーノンの方も読んでいただきありがとうございます〜！頑張ります！ (2021年6月8日 21時) (レス) id: d739c5af4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：んー
| 作成日時：2021年6月5日 20時
