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このときの僕は何も知らず、
呑気に模様替えをしていた。
窓際までベッドを運んで、棚をベッドの横まで持ってくる。
これだけでもだいぶ部屋の雰囲気が変わった気がする。
動かすだけの単純な作業でも、
俺は人の倍以上の時間と労力を使う。
こんな体はもう嫌だと投げ出したいけれど、
そうもいかないのがこの現実世界。
今、外の世界はどんなことが起こっているのだろう。
また、あの元気な男の子は来ないのだろうか。
来て欲しい、なんてちょっとばかり考えてしまう。
そうだ…!
棚の整理しよ!
せっかく模様替えしたんだし、ついでに!
引き出しを開けてみても、
特に入っているものはない。
そらそうか、入院してから物欲があまり無くなったし…。
まぁ一応、拭き掃除をする。
最後の少し大きめの引き出しを開けると、
中央にひとつだけノートが大事そうにしまわれていた。
日記…帳…?
やま、だ…りょ…う…すけ…。
え、ぼく、の…?
いつ書いたっけ…?
覚えてない、よ…。
記憶にないこの日記帳を
恐る恐る最初のページを開いてみる。
……
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作者名:Misaki04649 | 作成日時:2023年5月21日 18時