Episode２６ ページ26
ﾁｭﾝﾁｭﾝ
ベッドから起き上がり、背伸びをして窓のカーテンを開けた。
今日はいい天気だ。
部屋を出ると右の部屋へ視線を向ける。
そういえば良くなってるかな
様子だけ見ていこう！
ドアをそっと開けるとベッドに横たわっている広臣がいた。
部屋に入り、彼に近づくとスースーと寝息が聞こえる。
『ふふっ』
あんなぶっきらぼうな広臣がスースー寝息をかいて寝ている姿を見て
少し子どもっぽく見えたり
ちゃんと寝ててえらいなとか
置いておいた薬はなくなっていてちゃんと飲んでくれたんだって嬉しくなるし
ちょっとはだけたタオルケットも頭の寝癖も
なんだかかわいい
私はそっと彼の頬に手を当てた。
よかった...
熱は下がってるっぽい。
安心してフゥと一息吐くと
『えっ...』
突然起き上がった彼。
手を掴まれ彼の方へ引っ張られた。
ふらついてベッドにドサッと座り込むと彼は私の首に腕をまわし、顔を近づけてきた。
「おはよ、」
そういう彼はニヤッと口角をあげた。
『お、おはよ』
なになになになに
どうされました
そんな笑った顔見たことありません！
「ふっ...お前なんて顔してんだよ」
『ほへっ...！？』
彼は私の頬をぶにゅっと掴む。
そしてまたニヤリと笑った。
「色気のねぇー声」
そう言うと彼は立ち上がり部屋を出ていった。
.
.
ベッドにへなっと座り込んだまま、
私は彼のいたずらっぽく笑う顔が頭から離れなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YUME | 作成日時：2017年7月3日 3時
