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広臣くん
少しでいいから
会える時間作ってください。
こんな風に、言ってきたの初めてだな。
Aからのメッセージを、もう長い時間見つめている。
何の話かなんて、言われなくても分かった。
今までも、熱愛報道なんて何度もあったし
それでAが怒ったり泣いたりなんてしたことなかったのに。
アイツの誕生日の数日後、岩ちゃんから、託けたはずのショッパーを受け取った。
その時点でも
さすがに誕生日にあの報道はねぇよな
初めてだな、アイツが怒るのは
なんて、深く考えもしないで
フォローするわけでもなくて
いつも通り、時間が経つ事に任せていた。
何もかも、今まで通りだと思ってた。
ほとぼりが冷めた頃、連絡すればまた
広臣くんってAがやって来るはずだと…
Aが俺から離れていくなんて
そんな事、この世が終わってもないと思ってたのに
『臣さん、甘えすぎたね』
Aからのメッセージを見ながら、ショッパーを俺に渡した時の 岩ちゃんの言葉が甦った。
会おうと思えば今日にでも会える。
でも、時間が必要なんだ。
Aがいなくなってしまう事実と覚悟を受け入れる時間が
既読をつけてしまったけれど、もう少し待って。
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作者名:花梨 | 作成日時:2019年1月30日 20時