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岩田さんが帰って、私たちは並んでソファーに座った。


『よくわかんないね』


『何が?』


『順番?』


『それは、俺の問題だから』


ノブくんは、ふぅーっと大きく息を吐き出して天井を見上げた。


『何考えてるの?』


『ん?何にも考えてない(笑)』



なにそれって笑うと、ノブくんが真っ直ぐ私を見つめた。


『なぁに?』


『好きだよ』


『え?あ……』


急に言われてビックリした。
でも、私を真っ直ぐ見つめたままのノブくんに応えたいと思った。


『うん。私も…好き』


嬉しそうに笑ったノブくんが、私を抱き締めようとして、慌てて両手を上げた。


『え?ここはギューってしてくれるんじゃないの?』


『うん。普通はそうなんだけど。
さっき言われたばっかだし…順番』


『あ………順番』



初めて順番の意味がわかったの。


『なるべく早く時間作ってもらうね』


『うん。ほんとに…大丈夫?』



心配そうに顔を覗き込んでくるノブくんの肩を叩いて笑った。
大丈夫だよって。



それから暫く話して、ノブくんは帰っていった。



ノブくんが言ってた、大丈夫?も
私の中にある広臣くんへの想いも
分かったようで分かってなかった。


ノブくんの事を好きだと思う。


それが広臣くんを好きな気持ちと同じぐらいか
それを上回るのか…


ただ一緒にいてくれるからなのか…

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作者名:花梨 | 作成日時:2019年1月30日 20時

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