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仕事帰りだったからお腹は空いていたけど、泣き顔のまま何か食べに行くわけにいかないから、帰りにスーパーに寄って私の家で晩ご飯を食べることになった。
『ノブくん座ってて?急いで作るから』
『誕生日なのにごめん。俺が出来たらいいんだけど』
『そんな事ないよ!私、すごく嬉しいよ?今』
『うん。じゃあ手伝うよ』
作るといっても、お肉を焼くだけなんだけどな。
ノブくんが買ってくれた、お高めのステーキ!
フライパンを温めている間にサラダの準備をするんだけど
『うわっ!ちょっと!怖いからー!』
『急に大きな声出すなよ!』
『だって、指切りそうだったじゃん』
『大丈夫だって!』
トマト切るだけなのに大騒ぎ。
真剣な顔で包丁を握ってる横顔にちょっと見惚れちゃったりして。
『気が散るからそんなに見んなよ』
トマト切ってるだけのくせに(笑)
キッチンで賑やかにお料理をして、出来上がったものをテーブルに運ぶ。
『いただきます。誕生日おめでとう!』
『いただきます。ありがとう』
『ちゃんとしたお祝いはまた次回。絶対するから』
『そんなのいいのに…』
照れる私をノブくんは笑って見ていた。
食事も終わって、帰ろうとするノブくんを
まだ帰らないでって引き留めていた時、携帯が鳴った。
『もしもし?岩田さん?』
『Aちゃんに渡したい物があって…
近くまで来てるんだけど、出てこれるかな?』
広臣くんかな?って思った電話の相手は岩田さんだった。
『えっと…』
言い淀む私を、ノブくんが心配そうに見てから電話を代わってってジェスチャーで伝えてくる。
どうしようか迷ってたけど、迷ってる間に携帯は奪われた。
『岩さん、お疲れ様です』
岩田さんと電話で話したノブくんが、大きなため息をついた。
『ごめん。今からここに来てもらうことになったから』
は!?
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作者名:花梨 | 作成日時:2019年1月30日 20時