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『岩ちゃん、ちょっと』



臣さんに呼ばれて使っていない部屋に入った。



『悪いんだけどさ、これ、Aに渡してくんない?』



臣さんが好きなブランドのショッパーを渡された。


『え?俺が?』



『アイツ、今日誕生日なんだよね。
ほら、俺、今動けないじゃん。だから…』



『誕生日にあれを見ちゃったってこと?』



臣さんは、苦笑いをしていた。



『よりによって今日かよってね』



『電話…したんすか?』



『忙しくて会えないって連絡はしてある』


ちょっとバツが悪そうに口を尖らせている臣さんに腹が立った。
Aちゃんに最後に会った時、あの子が言ってた事が思い出された。


『臣さんにとってAちゃんは何なんすか?』


『何って…彼女でしょ?
こんなことでアイツは俺から離れないから大丈夫だよ』


こんなこと?
彼女の誕生日に、他の女との熱愛報道が出たのに?
こんなことで済ませてしまうのか…



『今までも大丈夫だったから?』



『何?何熱くなってんの?(笑)
岩ちゃんが熱くなることじゃないでしょ(笑)』



『別に熱くなんかなってないっすよ。
ただ、Aちゃんが可哀想じゃないすか。
MAIさんとは本当に?』



『フッ(笑)』



臣さんは、鼻で笑って教えてくれなかった。

こんなことがあっても、Aちゃんにプレゼントを渡そうとする気持ちがあるのなら、もっと向き合ってあげればいいのに



『じゃあ頼んだから』



『…はい』



臣さんからショッパーを受け取って、部屋を出ていく臣さんの背中を見送った。

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作者名:花梨 | 作成日時:2019年1月30日 20時

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