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『Aちゃん1人で臣さん運べないよね?
俺が付いていければいいんだけど、帰って仮眠したくてさ。
ノブ、悪いけど臣さん運んであげてよ』
『はいっ!』
『そんな!これ以上ご迷惑おかけするのは…』
岩田さんは、明日というか今日、朝から撮影らしい。
だからといって初対面の人に迷惑かけるわけにいかないし…
『Aちゃんはすぐ遠慮するから(苦笑)
1人じゃ絶対無理だって!臣さんこんななってんだよ?長い時間外に居て、風邪でもひかしたらそれこそ皆に迷惑かかるでしょ?ノブに運んでもらいなよ』
自分が運ぶわけでもないのに、勝手に計画を立てている岩田さんに開いた口が塞がらない。
オロオロしている私をほっといて、話はどんどん進んでいく。
『ノブ、臣さん立たせて連れていって!
Aちゃんは臣さんのバッグ持ってね。
はいはい、帰りますよ』
岩田さんと鈴木さんが広臣くんを抱えて先を歩く。
私は慌てて後ろから付いていった。
『じゃあね!Aちゃん、今度は一緒にご飯食べようね』
岩田さんは、呼んでくれた2台のタクシーのうちの1台に乗り込んで夜の街に消えていった。
『Aさん、帰りましょ?
登坂さんの家でいいですよね?』
鈴木さんが広臣くんを支えたまま私にタクシーへ乗るように促した。
『はい。すみません』
私が先に乗り込んで、隣に広臣くんを座らせた鈴木さんが助手席に回った。
『あの…』
『いくらAさんが小柄でも、僕と登坂さんが並んだらさすがに狭いと思いますから』
『すみません』
タクシーの運転手さんに、広臣くんのマンションの住所を告げてタクシーは走りだした。
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作者名:花梨 | 作成日時:2019年1月30日 20時