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俺がそう言うと、君はいつも嬉しそうに目尻にしわを寄せるよな。
本人はなくなっちゃう目が気に入らないみたいだけど。
俺にはそれが可愛く見えて仕方がない。
「そういえば、新作できたの？」
店に出す新しい秋の新作、店長に任されたって言ってたよな？
『あっ！そうなの』
音符を散りばめながら冷蔵庫から皿に乗ったケーキを俺に見せてきた。
「モンブラン？」
『そう！』
きっと、俺ら一般が思うモンブランはきっと半円のような形をしていると思うが、彼女が作ったモンブランは円錐だ。
「食べていいの？」
『一口ね！』
このやり取り何回目だろうな。
新作を作ると必ずと言って試食させられる。
でも、やっぱり、俺らの仕事柄太るのは厳禁だから。
いつも��一口だけね！��って言うんだ。
彼女なりに気を使ってくれてる。
でも、食べて欲しいんだよな？
『はい、あーん』
君はそういうこと本当に恥ずかしがらずにする。
まぁ、それに応えて口を開ける俺も大概だな。
「うまっ！」
何が入ってるとかどこが上手いとかわからないけど、とにかく美味い。
なんだこれ。
『でしょう？』
ドヤ顔。
こいつは料理やお菓子作りなんて一切できなさそうな見た目してて、むしろモデルとかして、遊びまくって性格悪そうな見た目をしている。
彼氏の俺が言うのもおかしいけど。
初めて君のケーキを食べた時は本当に驚いた。
美味すぎて、美味いしか出てこなかった。
どんなところが？って聞かれた時、答えられなかったから、もう俺にはどこが？とは聞かなくなったんだっけ。
「たくさん考えてたもんな」
『うん、店長今回はすごく褒めてくれて』
俺が仕事で夜遅く帰ってくる時間にも、キッチンでずっと作っていた。
本当に頑張り屋だ。
そんなところが、俺はすげぇ好きだよ。
「お疲れ」
頬にキスすれば、ふふって笑って『大好き』って飛びつく君。
いい大人が子供みたいに。
でも、飛びつく君をしっかりと受け止めてしまう俺も、やっぱり大概だ。
「俺らのウェディングケーキ、Aに作って欲しいけど、それってあり？」
『えっ？』
「ん？」
『…えっと、…え？』
ハハッ、パニクりすぎ！
「俺はこの先もずっとお前だけなんだけど、お前は違うの？違う奴と結婚するわけ？」
『なっ…！？そんな奴いない！』
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作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
