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彼が湯船に浸かり、私は端にずれた。
すると、それを許さない彼は私の脇を掴んで、彼の足の間に背を向けて座らせられた。
仕方なく、彼の背中に頭を預けると、手が伸びてきて私の肩をぎゅっと抱き寄せる。
「なぁ」
『……なに？』
「キスしよ」
彼が私の首に頭を埋める。
私が返事をする前に、頭をぐっと引き寄せられ、熱い唇が触れた。
ちゅ
ちゅっ
ちゅっちゅっ
可愛らしいキス。
前までの私なら喜んで受け入れるのに、胸につっかえを持った私は悲しい気持ちでいっぱいだ。
だんだんと私の唇をハムハムするキスに変わって、舌で口開けて？とノックされる。
意地になって閉じでいても、苦しくなって息を求めてしまい
口が微かに開いただけで舌をすりこませ、私のを絡めとった。
『んんっ』
「…好き」
いつもと同じ。
変わらず好きと言うのも同じ。
同じだから、余計悲しくなる。
私の頭を撫でる手も優しくて、その優しさに胸が苦しくてなって仕方が無い。
「…抱いていい？」
もうずっとキスをしていて、私の腰にあたる彼のモノもわかっているけどこんなんで抱かれたくない。
『だめ』
「…ん」
今日はね、��だめ��＝��もっとキスして��じゃないんだよ。
そんなこと思ったって彼には分からない。
だから、彼はキスをし続ける。
私の大好きなキスを。
『広臣』
「…ん？」
『逆上せそうだから出るね』
逃げるように浴室を出て、髪を乾かしていたら後ろからふわっと一瞬抱き寄せられてドライヤーを奪われた。
「やってあげる」
短い間ではあったけど、美容師だっただけある。
『…ありがとう』
彼のドライヤーは悔しいくらい気持ちよくて、眠くなってしまう。
このまま寝て、起きたら全部夢だったらいいのに。
そう思った。
「おい(笑)」
『え？』
気がつくと、彼のほうに倒れていて、彼は私が倒れないように肩を掴んで支えてくれている。
「寝んなよ？」
『…やだ』
彼の目が男の目をしている。
私が起き上がろうとすると肩を強く押されて起き上がれない。
「俺こんなんじゃ寝れないよ」
彼は自分のモノを見て、私を見た。
「なんで今日そんな意地悪なの？(笑)」
『……』
意地悪？
これが意地悪だって貴方は私に言うの？
私はこんなにも悩んでいるのに。
こんなにも苦しいのに。
私は貴方の欲を満たすだけの人なの？
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作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
