. ページ40
私と広臣の関係を知っているなぎ以外の人たちからも心配のLINEがきて、全部同じように大丈夫と答えた。
広臣からあの内容について全く触れてこないのは直接言いたいのかも、とか。
自分の都合のいいように考えてしまって。
だって、毎日かかさずくれる電話の声がやっぱり優しいの。
信じたいのに、信じられない。
聞きたいのに、聞きたくない。
広臣の事務所も相手の事務所は否定も肯定もしない。
何も言わないのだ。
私はそのことに対しても不安が募る。
もし、彼の心にもう私がいないとしたら……。
そう思うと、彼に聞くことが出来ない。
そうやって葛藤を抱えて過ごす日が続き、彼に会うのは5日ぶりだ。
彼に会ったら泣いてしまわないように。
別れを切り出されないように。
そう自分に暗示をかけて、何もなかったかのように無理な笑顔を貼り付けた。
「会いたかった」
玄関のドアを開けて、いつものように逞しい胸の中に収まる。
『お疲れ様』
「ん」
靴も脱がず、私を抱き締めたま熱いキスを。
こんなキスをされたら何でも許してしまいそうと思ったと同時に、
私以外にもこの熱いキスをしている人がいるかもしれないと思うと悲しくなった。
彼の手が私の背中を撫で回し始め、私は途端に胸を押す。
『ご飯先食べよう？』
「…そうだな」
彼は私がキスを大好きなのを知っているから、きっとまだコトはしたくないと思ったのだろう。
いつもたくさんのキスをしてからだから。
あの記事について話し始めるのはいつだろう、と彼が何か話し始める度にビクッとする。
でも彼は全く普通。
ほんとにいつもと変わらず普通だ。
こんなにも普通だとむしろイライラしてくる。
記事のこと知らないの？
私彼女だよね？
言ってくれてもよくない？
ここにいるときっとそのうち思っていることが態度に出てしまうから、そうなる前に急いでお風呂に駆け込んだ。
無心で体や髪の毛を洗い、湯船に浸かるとふと疑問が出てきた。
もし、あの記事がデマではなく事実だとしたら2番目はどっちになるのだろうか。
…私？
この5日間はもしかして彼女と一緒にいたとか？
ガチャ
『え？』
浴室のドアが開き広臣が服を脱いで入ってきた。
「俺も入るね」
『…うん』
彼の鍛え上げられた裸を見るのは慣れなくて、背を向ける。
どうして今入ってくるのっ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 820人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「三代目jsoulbrothers」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
