貴方との毎日と君との毎日[Hiroomi] (ページ36)

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なぎ「でもまぁ、愛されてるってことじゃん」

『…ん』

なぎ「不満でも？」

『不満なんてないけど、なんで私かなって時々思うの』

なぎ「いや、まって、あんたそんなこと言ったら世の女どうなわけ？(笑)」

いつもの彼女のおふざけのようなノリ。

『もうっ！本気なのに！』

なぎ「あ、ごめん」

『広臣くん、本当に優しいの』

なぎ「惚気？」

『なぎ』

なぎ「すみません」

『私が夜遅く行く時は着く頃に温かいホットミルク作って待っててくれるし。絶対お菓子作らないのにいつでもできるようにって1式買ってるし。何か特別な日でもないのに似合いそうだからって靴贈ってくれたり。』

彼はびっくりするほど優しい。

『シてるときとか…その…、痛い？ってめちゃくちゃ気にしてくれるし。終わったあととか私が寝るまでずっと頭撫でてくれて、広臣くん、私より先に寝たことない…』

なぎ「登坂さん、Aのこと大好きなんだね」

『こんなに優しくされたことないから…』

なぎ「登坂さんの事好き？」

『うん、好き』

なぎ「どれくらい？」

『どれくれい……。今までにないくらい好き』

なぎ「登坂さんもそう思ってるんじゃない？」

『え？』

なぎ「好きだから優しくするんじゃん。簡単なことよ？」

彼の、＂好きだよ＂と言う顔が浮かんでくる。

なあ「Aだって、登坂さんが好きだから優しくするんでしょう？」

『うん』

なぎ「じゃあ悩む必要ないじゃん！愛されてるなって思ったらその分お返ししてあげればいいんだよ」

『…なぎ、いいこと言うね』

なぎ「そりゃあまぁ！あんたより経験豊富だからね！」

珍しく、心に響くいい事を言う彼女だと思ったけど、結局いつもの調子だ。

まぁこういう人だから、ずっと一緒にいるんだけどね。

なぎ「A」

彼女が静かに私の名前を呼んだ。

なぎ「よかったね。大切に思える人に大切にされて」

『なぎ…』

その言葉にぶわっと涙が浮かぶ。

なぎ「あんたの泣き上戸どうにかならないの？(笑)」

『ならない！なぎ大好き』

なぎ「ふふ、私モテモテだ♡」

マスターはそんな私たちをみて、可愛いケーキでサービスしてくれた。