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「そいつはAの良さまったくわかってねぇな」
彼女の頭をよしよしと撫でる。
きっと、そいつは彼女の見た目だけを見ていたのだろう。
そして、中身を知ろうとせず外見だけが好きだったんだろう。
だからそんなこと平気で言えんだよ。
「Aの初めて、俺に頂戴」
『私も、初めては広臣くんがいい…』
「してもいい？」
『うん、して？』
うわっ！
今甘え上手出ても困る！
…でも、すっげぇ可愛い。
好きすぎる。
いや、愛おしい。
さっきと同じように彼女の肩を押すと、今度はすんなり仰向けになってくれて
その上に体重をかけないよう覆いかぶさった。
彼女の瞳が不安そうに揺れている。
「優しくするから」
『…うん』
「怖かったら言って？ちゃんと止めるから」
『広臣くん』
「ん？」
『キスして』
彼女が腕を首に回し、引き寄せキスを求めてきた。
俺は断る理由なんてないからそのまま目をつぶって彼女にキスをする。
苦しそうに声を漏らし、口が微かに開いたところ、舌をすり込ませて熱い舌を絡めとると
ぎゅっと首に回っている腕の力が強くなった。
気持ちいいってとらえるよ？
彼女が気持ちよさそうにキスに酔いしれてる顔を確認して、スェットの袖から手を入れた。
途端に体が固くなり、身をよじった。
ウェストから脇まで撫で上げ、そっと胸を包むと彼女から声が漏れる。
「好きだよ」
『私も…』
「私も、じゃなくて」
『ふふふっ、私も大好きよ』
・
・
彼女が痛くならないように。
彼女が辛くないように。
俺なりにたくさん気にかけて優しくしたつもりだ。
時折、苦しそうな顔をしていた彼女だけど、止める？と聞いた俺に彼女は首を横に振った。
初めて触れた身体は吸い付くようで、心地よくて。
昔の遊び人だった時代のときに、中には身体の相性がいいやつもいたと、その時は思っていたが、
身体の相性がいいと言うのはこのことだと思う。
繋がったときは電気が走るみたい。
どんなに触れても足りない。
イってもぜんぜん足りない。
そんな人と俺は出会った。
「身体、つらくない？」
『…ううん。平気』
「よかった」
彼女の頭の下に腕を差し込み、もう片方の腕で腰を抱き寄せた。
彼女の柔らかくてスベスベな素肌が気持ちいい。
『初めてが広臣くんでよかった』
「俺もお前の初めてでよかった」
『大好き。ありがとう』
俺は返事の代わりにありったけの甘いキスを送った。
・
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作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
