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「また会ったね」
何としてでも連絡先を交換したい。
「連絡先交換しない？今度Aちゃんとゆっくり話たいんだよね」
『御遠慮しておきます』
「どうして？嫌？」
普通連絡先ぐらいいいよね？
俺がここまでして誘惑してるのに、乗らないの？
『迷惑です』
…迷惑？
俺そこそこイケメンだと思うんだけど。
貴方と遊ぶほど男に困ってないって？
すげぇ気の強い女。
「いいね。追いたくなる」
俺をここまで本気にしといて。
俺は君にすごく会いたかったのに。
少し、手荒な真似かもしれないけど、それだけ君が欲しい。
銀色の入れ物に入った紙ナプキンの束から１枚抜き取って自分の電話番号を書く。
それを彼女の手の中に握らせた。
「君は絶対、俺に連絡するよ」
ちょうど、彼女の連れが戻ってきて、彼女が連れを見た隙に、あの日君が拾ってくれた指輪を下にわざと落とした。
「ありがとう」
連れに二人にしてくれたことにお礼を言って、健ちゃん達のところへ戻った。
剛「遅いっすよ！」
「わりぃ(笑)」
健「あの美人なお姉さん誰や」
「…見てたの？」
健「トイレ行く時に覗いたんや」
剛「そんな美人なんすか？俺も後で覗こう♡」
健「で、誰や？」
剛「クラブで会った人っすか？」
「言わねぇ」
なんだか話したくなかった。
俺と彼女との出会いを言いたくなくて、固く口を閉じる。
剛「なんで！ケチ！」
健「臣ちゃん狙っとんのか？」
「…まぁ」
健「にしても、さっき覗いた時彼女素っ気なかったで？」
「健ちゃんうるさい」
剛「臣さんに靡かない人なんているんだ」
「犬もうるさいよ」
二人が彼女に関してワイワイ騒いでいる間にトイレに行こうと個室を出た。
すると、あの彼女が涙を流して廊下にいた。
思わず腕を引いて引き止める。
「大丈夫？どうした？」
彼女はまさか俺だとは思っていなかったらしく、すげぇ驚いている様子だ。
『な、んでもないです』
こんな泣いてて？
この先ってトイレだろ？
トイレで泣くつもり？
『あの、離してください』
「こんなんじゃ放っておけないだろ」
あんなに強気な彼女が泣いているなんて。
『…私、泣き上戸なだけなんで』
「…は？」
…泣き上戸？
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作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
