貴方との毎日と君との毎日[Hiroomi] (ページ17)

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__何、してたの？

少し沈黙を彼が破った。

『え？』

__いや、電話出なかったから何してたのかなって

『居酒屋にいた私の友達わかります？』

__あぁ！トイレに行った！

『そうです(笑)なぎっていうんですけど、その子と私の家で宅飲みしてました』

__いいなー、楽しそう(笑)もうお開きしたの？

『いえ、彼女今お風呂入ってます』

__そうなんだ。じゃあ電話はなぎちゃん？が出てくるまでだな

『……登坂さんは？』

__ん？

『登坂さんは今、何してるんですか？』

__……

『登坂さん？』

__あ、ごめん。Aから興味持ってくれたの初めてだから。すげぇ嬉しい

『……』

この人はどうして答えにくいことばかり言うの。

__家で新しいデモテープ聴いてた

『新曲でるんですね』

__でたら聴いてね(笑)

『じゃあ歌ってください(笑)』

__いいよ(笑)隣で歌ってやるよ

『贅沢ですね』

笑い声が漏れる。

楽しい。

楽しいと同時に、悲しくなる。

悲しくなった正体は、まだ気づいていないことにしとこう。

暫く話していて、なぎが上がってきた。

『すみません。なぎが上がってきたんでそろそろ…』

__こっちこそ長々とごめんな

『いえ』

__A

『はい』

__明日、会えるの楽しみにしている

『……』

__おやすみ

『おやすみなさい』

電話を切ると、なぎがなぜだか優しい顔をして私を見ていた。

さっきはすっごくニヤニヤしてたくせに。

『な、に』

「頑張んな」

『…うん』

切ない。

今の私にぴったり当てはまる。

「Aもお風呂入ってきたら？」

『…ここ、私の家！(笑)』

「私の第二の家でもある！(笑)」