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お風呂に入っている間に登坂さんからLINEが来ていた。
広臣飯行ってくれてありがとう
広臣来週の日曜なんだけど、また飯行ける?
返信、寝る前でいいや。
髪を乾かしたり、歯を磨いたり、明日の仕事の準備をしたり。
気づいたらもう1時だった。
もう遅いし、明日でもいいかな。
私は返すのを諦めて、そのまま眠りについた。
朝起きて、お店に向かう電車の中で昨日の返信をする。
Aこちらそ、ありがとうございました
A日曜、大丈夫です
LINEを返していると、昨日の帰りの出来事を思い出してしまう。
胸が高なったことや、手が熱かったこと、呼び捨てにされたことも、頭の上に乗った手のことを頭からかき消した。
彼とは友達。
相手は登坂広臣。
芸能人。
しっかりと友達フィルターを掛けて、目的の駅に着くまで目を閉じた。
登坂さんと会う前日、宅飲みをしになぎが家に来た。
ご飯のこと、帰り際のこと、あれから毎日LINEをしていること。
お酒を飲みながら彼女に話をする。
むしろ、質問攻めにされて、事情聴取のように答える感じ。
「ねぇ。そういう状況のことなんていうか知ってる？」
『え？なに？』
「いい感じって言うんだよ」
『……違うよ』
「だって、なんか聞く限り登坂広臣、Aに本気じゃない？」
『友達だよ？そういう対象じゃないって』
「なに馬鹿なこと言ってんのよ。そうじゃないと逆におかしいでしょ！それくらいわかるでしょAも」
『遊ばれてるんだよきっと』
「あの登坂広臣だよ？遊ばれてたらあの日そのままキスされて押し倒されてヤってるわ！」
『例えなったとしても拒めるわ！』
「ほんと馬鹿？家まで送らせといて、玄関前まで送ってくれたんでしょ？あと一歩踏み出して家の中入っちゃえばベッドなんてすぐなんだよ！男の力に敵うわけないし」
『……。』
「それでも無理やりしないってことは、Aに嫌われたくないってことでしょ。しかも、あの登坂広臣なんだから遊んでくれる女なんてたくさんいるんだろうし、靡かないAを切らない意味、わかるよね？」
『そんなわけ…』
「じゃあもっと会って実感すればいいよ」
『だってーー』
今日のなぎ、厳しいです。
いつもの小言以上に厳しいです。
「だってなに？」
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作者名：omigirl | 作成日時：2017年9月5日 0時
