夢をありがとうⅡ (ページ21)

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ガチャガチャしてる音と
若干やかましい低い声

ところどころで
ずしんとくる低くてしっかりした

、、、

ヒロさん！？

まさか、、、

ここは俺んちだ

隣の葉月は小さくゆっくり浅い呼吸をしていて
思わず身体を寄せて生きてるか確認した

相変わらず隣の部屋から
聞こえるこえ

何度も聞いた
威厳のある声には間違えがなさそうで

起き上がらないととは思うけど
よっぽど疲れてるのか
ベッドの上に脱力したまま

頭を撫でる

おでこと昔から変わらない鳥の産毛みたいな
少し傷んだ栗毛の境目に
傷を見つけた

ぶつけたのか、殴られてついたものなのか

多分後者だろうけど
縫ったような綺麗な傷ではなく
無理矢理くっついたような跡

目立つ場所でもなく、小さいのが
不幸中の幸い

不幸中の幸いでも傷は消えてない

「痛かったよな。めちゃくちゃ血が出て
怖かっただろうな」

昔何処を触ったのか
葉月の指にそれは立派なトゲが刺さってて
大泣きと言うか、
それこそ虐待で通報されかねない声で
泣き叫んでて
必死に抱き抑えて、お袋が抜いたんだっけ

ﾌｯ-
可哀想だけど笑っちゃう

ガチャ！

比較的軽めのドアなのに
まぁまぁ勢い良く開けたのは
直人さんでもELLYでもなく

ヒロさん「おはよう！！
お？起きてたか！疲れただろ。

もう９時だぞ！！天気もいい。
今彩にも来てもらって、あ！キッチン借りたからな！

朝しっかり起きて飯食う！
これから年頃の女の子も一緒なんだ、健全な生活を心がけなきゃなー！笑」

慌てて身体をおこして
「おはようございます、すみません！！！」
挨拶すれば、元気に話すヒロさん

呆気にとられるも
事務所の社長とその奥さんが
朝から来て、朝飯まで、、、

ヒロさんだって忙しい上に
昨日の件でだいぶ遅かっただろうに

直人「遅いよー！社長自ら家に来てだなんて、前代未聞よ！」

後ろからお母さんのように
直人さんが大きな声で言う

臣「すみません、朝から、、」

ヒロさん「いいって、いいって
ほら、色々あるけどさ
せっかくね、葉月ちゃんに会えた訳だし
ちょうど娘でも全然おかしくない年頃だろ？
何かしたいと思ったんだ。
過去も含めてこれからを社長としても、familyとしても応援したいと思ったんだ。

ほら、葉月ちゃん！
いい朝だよ。
朝ごはん作ってみたから。一緒に食べないか？
ん、熱は高くなそうだな。よかった」

。