八 ページ9
Aside
準備していた荷物を持って翹英荘の入り口まで母と一緒に運んだ
どうやらここに嘉明が迎えに来てくれるらしい
母「それじゃあ私は仕事に戻るから、嘉明によろしくね
体調に気をつけて、何かあったらすぐ連絡をよこすこと！」
『わかったわかった…大丈夫だって、荷物ありがとね』
父は仕事の都合上ここまで見送りには来れなかったけど家を出る直前に母と同じような事を言っていた
嫁に行くんじゃないんだから…と流石に突っ込みたくなった
母が見えなくなるまでこちらを振り返っては手を振るので私も小さくなる母に手を振りかえし続け
完全に見えなくなるとポツンと一人
聞こえてくるのは川の流れる音とさわさわと草を揺らす風の音だけ
『ほんとに翹英荘から出るんだ…』
たった数日だけだけど…、翹英荘を出て出かけるのは数年ぶりくらいだ
若干不安はある。何に対してかと聞かれるとハッキリしないが
嘉明がいれば道中安全だということはわかっているのだけれど…
そろそろ来る頃だと思うんだけど
辺りをきょろきょろと見回すが人の気配はない
大丈夫かな、もし嘉明が来ないままだと私一人じゃ辿り着けないよなぁ…
ふぅ、と一息ついて持ってきた自分の荷物の上に座る
目を瞑って翹英荘の爽やかな風を頬に感じながら私は嘉明の事を思い出したーーー
ーーーーー
ーーー
ー
カラリと晴れたある日の昼下がり
当時体の弱かった私は年中体調を崩していたから天気のいい日もほとんど家の中で過ごしていた
近所の子供たちが茶畑を駆け回り楽しそうな声を上げているのを聞きながら
私は一人で専ら、陰気に占い遊びをしていたのを覚えている
もちろん友達はあまりいなかった
まぁ、そんなに気にしてはいなかったけど
そんな中で幼馴染の嘉明は唯一私のことを気に掛けた
いや…気に掛けたというよりは、友人として普通に
周りの子たちと同じように接してくれたのだろう
どんなに天気のいい日でも、外に遊びに行く前に必ず私に声をかけに来てくれたり
早茶の席に招いてくれたり……
とにかく、嘉明が来ると日常が目まぐるしくて飽きることはなかった
嘉明「本物の獣舞劇を見に行こうぜ。Aの体が良くなったらな！」
そんな約束を
幼い頃にしてくれたこと
嘉明は覚えているのかな……………
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます！とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (
レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(？)好きです！！！ (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…？！変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭！嘉明くん推しなんですね！彼の魅力を引き出せるよう頑張ります！ (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりんぽす | 作成日時：2024年2月12日 21時
