四十八 ページ49
嘉明side
案の定オレと鉢合わせないように帰ろうとしていたAを見つけると
彼女はオレの顔を見るなり下を向いて黙りこくってしまった
オマエとのことなら全部覚えてる
Aは覚えてないのかな……
そんなの当たり前のことなんだ。だってオレは昔からーーー
ーーーーー
ーーー
ー
『嘉明、あのね話したいことがあるんだ』
Aがやっと顔を上げてオレの目と視線を交わしてくれた
その事に嬉しさを覚える反面
心なしか弱々しく揺らぐ彼女の瞳に一抹の不安を覚えた
彼女の唇から、何が語られるのか
次の言葉を待つ時間は実際には短いにも関わらずオレには永遠にも思えた
『璃月港に行くことになって……久々に嘉明に再会して、久々に二人で話して……昔に戻れたみたいで楽しかった。
やっぱり、嘉明は変わってないなって
見た目は少し背が伸びて男らしくなったけど
中身はあの頃の嘉明のままだなって思った
……昔から、ほんと、太陽みたいだなって思ってた』
嘉明「太陽……?オレが?」
Aがそんなこと思っててくれたなんて
初めて知った、そんなこと
内心驚くオレにAは言葉を続けた
『うん、ずっと太陽だった
嘉明は私にとって
家の中にいても私を照らしてくれるそんな存在
そんな大事な幼馴染に、伝えなきゃいけないことがある』
改まって、背筋が伸びたAの髪を
港の風がサラサラと掬っていく
穏やかに、でも何故か困ったように笑うAの笑顔にオレは釘付けになる
『手出して嘉明』
嘉明「手?」
素直に差し出したオレの手の上に何かを置くA
それには見覚えがあった
だってそれは、オレがAに渡した月季紅の容れ物だったから
どうしてこれをオレに渡した…いや、返したのか
訳が分からなくてAを見る
『それ、返す。返さなきゃいけないの』
毅然とした態度でそう答えるA
嘉明「ごめん、好みの色じゃなかったか?」
そんな気の使えない返事しか出来ないくらい
この時のオレは動揺していたのかも
『ううん、そうじゃくてね…えっと、
実は…、私に縁談が来ててね、私……
その話を受けようと思ってる
この話をするためにここまで嘉明に会いに来たの』
そして、Aから告げたれた言葉にオレはしばらく頭の中の理解が追いつかなかった
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時