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四十四 ページ45

Aside


遺瓏埠も翹英荘に比べたらやはり全然賑やかだ


人々の会話、舞台や灯篭の灯り……


賑やかな夜の幕明けは何処となく聞こえてきたリズム感のいい太鼓の音から始まった


パイモン「おっ、始まったな!」


蛍「パイモン、しっ」


フリーナ「おお……楽しみだ…!」


皆が煌々と照らされた舞台の上を一点に見つめていて気を取られていた


それは、皆の背後から…


まるで邪気を払う獅子が荒れ狂う風のように駆け抜ける


観客「うわっ!な、なんだ?」


子供「わっ!すごい!獅子だー!」


颯爽と死角から現れて舞台上を独占した獅子


『わ、あ…………』


それは夜の宵闇を明るく、力強く照る陽の日差し


或いは、燃え盛り変幻自在に暴れる炎のよう


まるでそこに本物の獅子…いや、瑞獣が君臨したかのような錯覚に陥った


多分ここにいる全員が私と同じことを思ったに違いない


太鼓の音がドンドンと大きく響き地面をも揺らす


まるで心の臓を掴まれて揺さぶられているようなそんな感覚


目の前で踊り狂う獅子はかつて見た小さな獣ではなく…


手を伸ばしても届くことのない


触れてはいけない、伝説上に謳われる瑞獣そのものであった


あれは…


あそこで舞っている少年は、本当に嘉明なのだろうか?


そう疑ってしまいたくなるくらい


十数年の歳月は、彼を大人にしたのだろう


だって…見ているととても眩しい


思わず目を細めてしまうほどに


随分と遠くなってしまったような。そんな気がする


それでも…


時折獣頭の下から覗く嘉明の瞳は


あの時と変わらないまま、キラキラと輝いていた


ーーーーー


ーーー





威水獣舞隊の公演が終わって


しばらくは賑やかだった場も次第に人が散り始めた


フリーナ「すご〜く良かった!璃月の舞台でこんなに楽しめるとは思わなかったよ…。僕もまだまだ勉強不足だなぁ…!」


パイモン「なぁ!嘉明の獣舞劇はすごいだろ?がおーっ!ってな!」


蛍「喜んでくれてよかった」


近くで蛍達が盛り上がっている中


私は獣舞が終わった後も暫く椅子から立てないままでいた


『ほんと、すごかった………』


感動を、余韻を噛み締めていたのだ


その一方で嘉明に早く感想を伝えたかった


興奮で震える手をギュッと握りしめて私は片付けをしているであろう嘉明の元へと向かった

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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時

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