三十七 ページ38
Aside
『うわぁぁ……どうしても避けられない……!!』
茶壷の中で調子良く開いた茶葉を見て絶望を繰り返す
何回やっても結果は同じなのに私はどうやって先の縁談を回避するかの策を練っていた
父と母の話では三日後にあちらさんが翹英荘にやってくるらしい
その後璃月港で両家のご両親を交えて一緒にお食事を…
って勝手にどんどん話が進みすぎて不可抗力すぎる!!
焦る暇もありはしなかった
『一体どうすればいいのか……』
私、本当にあの息子と結婚させられちゃうの……?
生まれてこの方、恋人なんて居もしないし
年頃の女の子達がはしゃぐような恋愛だって興味なかった
私はここで朝は茶摘みを手伝って死ぬまで占いをぼちぼちやっていければいいかななんて
そんなことを考えていたのに…
八雲商会に嫁いだら次期商会の会長になる息子の隣に立たされ四六時中人の目に晒され璃月港に骨を埋める事になってしまう
それに…………
『なんで、こんな時にあんたの顔が浮かんでくるのかなぁ…』
太陽のように笑う幼馴染の顔
私の心に引っかかっているのはこれだ、嘉明だ
会いたい…な
きっと私が嫁いじゃったら今よりももっと自由な時間がなくなってしまう
嫁ぐ気ないけど………でも
嘉明に会いに行こう、かな…自分から
とにかく理由なんていらなかった
嘉明の顔が見たい、ただそれだけだった
遺瓏埠なら私一人でも会いに行ける
魔物や盗賊が少ない山道を通れば難なく行けるはずだ
昔みたいにすぐ体を壊してどこにも行けない私じゃないんだから
『……決めた、明日遺瓏埠に行ってみる』
初めて一人で翹英荘の外に出る事になるけれど
その先で嘉明と会えるかもって思えばそんなの微々たる問題だ
思い立ったが吉日
私は卜占の道具を片付けてすぐさま明日の準備を始めた
嘉明に会った後のことなんて全く考えてないけど
あの笑顔でなんでも受け止めてくれる気がする
縁談を破棄する勇気をもらいたい
『あは…っ、パワースポット訪問!じゃないんだからね…』
思わず一人で苦笑いをして、会いに行った時のことを想像する
突然会いに行ったら嘉明、どんな顔するかなぁ…?
喜んでくれたら…嬉しい、かな
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時