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三十四 ページ35

Aside


嘉明と再会したあの日から早いものでひと月が経とうとしていた


私は特に変わり映えのない毎日を送っている


川のせせらぎと小鳥の囀りに目を開けて


肌を纏うような白い霧に包まれながら茶香を感じて茶摘みをする


昼は翹英荘のおじちゃんおばちゃん相手に趣味の卜占をして


夜も黙々と茶葉と睨めっこしては自分への卜占を繰り返していた


まぁ…変わったことといえば


毎日嘉明にもらった紅をさすようになった


これまでは化粧なんて自分ではしなかったのに


不思議と、朝鏡の前でこの紅を見ると嘉明を思い出して


塗ると元気になれる気がしている


あとは嘉明のことを思い出す回数が圧倒的に増えた


今どこで何してるのかなとか


元気でやってるかな?とか


今度はいつ会いにきてくれるかな…とか


もしかしたら璃月港や遺瓏埠で新しい友人や恋人なんかを作っ………


『ああああ考えるな〜………』


父から頼まれた作業を父の書斎で黙々とこなしながら私は自分の髪をわしゃわしゃとかき混ぜた


ちょっと目でも油断すると嘉明の顔が頭の中に出てくる………!!


璃月港から帰ってきたあと、父に報告をすると問題なくこなせた私に父は非常に感動していた


瞳を潤ませながら思いっきり抱きつかれた記憶が今に新しい


それからというもの、父の書斎に呼ばれては仕事を任される日々が続いていた


今日もその作業中なのだが


いかんせん、私の集中力が皆無に等しい…


やる気がないとかじゃなくて……


単に嘉明が足りない…というか何言ってるんだろう私


『数年間会ってなかったくせによく言う…』


嘉明と再開する前、私は何を考えて過ごしていたっけ…


それすらもよく覚えていないやーーーーー


ーーーーー


ーーー





種は、発芽するまでは陽の光を必要としない


それなのに芽を出してから花になって身をつけるまでの間は


光がないと成長出来ないのだ


嘉明が私にとっての太陽なのだとしたら


私の【芽】はとっくのとうに種から葉を生やして


太陽の光(嘉明)を欲しているのではないだろうか

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設定タグ:嘉明 , 原神 , 璃月
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時

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