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三十一 ページ32

嘉明side


何緊張してるんだ、オレ


Aに物を贈るなんて別に昔もやったことあるし…


港までの往路はAが化粧をしているのを初めて見て綺麗だなって素直にそう思った


でも、本人は気づいてないかもしれないけど…


元々素材のいいAのことだ


紅の色はもっと自然に合う色があるんじゃないかなって何となくそう思った


恋人でも何でもない男に紅を贈られるのは女性的には…嫌な気持ちにならないかな


とかオレらしくなく色々と考えたりもしたが


最終的にはいつのまにか、港で購入してしまったのだ


Aから返事が返ってこなくて心配になる


嘉明「その、Aのおふくろさんとかにあげてもいいからな。気に入らなかったら!」


苦し紛れの誤魔化しについ声が上擦ってしまう


迷惑だったかな、やっぱり…なんて考えていると


『あ、あげないよ……っ!私がちゃんともらう…っ』


そう言ってオレに手を伸ばしてくるAの顔は紅より真っ赤で…


Aがこんなに照れているところなんて見たことなかったオレはちょっとびっくりした


と同時に何故か少し嬉しくなった


顔は隠したいのだろうか、俯き気味に伸ばしたAの両掌の上に紅の入った入れ物を置いて渡す


Aがしっかりと受け取ったのを見て安心した


『あの、ありがと………』


嘉明「気にすんなって!」


珍しくしおらしいAにオレもドギマギしてしまって会話はそこで途切れた


二人で並んでゆっくりと翹英荘までの道を歩く


いつもならあっという間のこの道も今日はやけに長く感じた


またしばらくAとは会えなくなるのか


いや、オレが翹英荘に来ればいい話なのだが


鏢師の仕事と獣舞劇で忙しない毎日


中々足を運ぶ機会がないのだ


かと言ってAは翹英荘から出ないしなぁ…


そうこうしているうちに行きに待ち合わせていた翹英荘の入り口へと着いた


『ここまでで大丈夫、ありがとう嘉明』


嘉明「家まで持っていかなくて大丈夫か?」


うん、と頷くA


オレは彼女に荷物を預けた


Aの唇の鮮やかな月季紅が霧の中に映える


真っ直ぐにオレを見つめるA


オレもその視線に自分の視線を重ねた

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設定タグ:嘉明 , 原神 , 璃月
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時

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