二十三 ページ24
嘉明side
気を使わなくていいって…一人にしてくれってこと?
…やっぱり変だ
そそくさとオレから離れて仕事に行こうとするAの細い手首を咄嗟に掴む
『おわ…っ?!』
何か用か?と言いたげに大きな目をパチパチさせている
仕事は止めるわけには行かないし…手短に伝えようとオレは口を開いた
嘉明「夜、ここで待ってる。Aの仕事が終わったら来てくれよな?」
『ちょ、嘉明……?!』
掴んでいた手首をパッと離してオレはAから返事を聞く前にその場を離れた
ーーーーー
一人になって、港を歩きながら考え込む
Aの様子が変だなって気づいたのは早茶の途中から
確か…、オレの獣舞劇の話をしてる時か?
嘉明「そんな見たくなかったんかな…」
その言葉を口にしてぶんぶんと首を振る
そんなわけないよな…
どうして一人になりたいなんていきなり言い出したんだろう
嘉明「一人になりたいなんて言うか?Aが」
彼女は昔一人でいることが多かった
オレにも一人に慣れていると何回も言っていた
でもそんなのは嘘だってオレは知ってるんだ
だって、Aが体調を崩してしまって家に閉じ篭もるたびに
オレが会いに行くと目をキラキラさせて喜んでいたから
本人は気づいてないかも知れないけど
オレが帰る時にしょんぼりしていたことも
全部全部、幼いながらに感じ取っていた
オレが会いに行くとオレにしか見せない笑顔を見せてくれる
それが嬉しくて
Aに会いに行くのがいつの間にか昔の自分の日課になっていた
あの頃は話せば表情や態度からAの気持ちが手に取るようにわかったのに
数年空いた時間は思ったよりも大きかったみたいだ
Aが今、何を考えて何に悩んで何を欲しているのか…
嘉明「分かればいいのにな、オレに」
そう思うのは自分の勝手な欲なのだろうかーーー?
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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時