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十二 ページ13

嘉明side


仕事としてだけど、こうしてAと二人で出かけるのは初めてかもしれない


それだけAは体が弱かった


毎日部屋の中でつまらなさそうに窓から外を見ていたっけ


白先生の薬を苦いと言ってオレに舐めさせたことも…


あれは本当に苦かったな……


その時の味覚が舌にのるようで、オレは思わずベッと舌を出した


そんなオレのことを見てAが首を傾げる


『どうしたの?』


嘉明「いやぁ……、なんでもないぞ?」


途端に恥ずかしくなって頭をかきながら目を逸らしたけど


『私が白先生の薬を飲んだときみたいに苦虫を噛んだような顔してた』


嘉明「ええ…?!」


ピンポイントで俺の謎行動の理由を当てられて驚いているとAはニヤリと笑う


あ、この表情昔からよくしていたな…


何か企んでるとき、自慢げなとき


Aよくニヤッと笑う


彼女のとびきりの笑顔を見たのは……片手で数えられるくらいかもしれない


今のAが笑ったらすごく綺麗だろうななんて考えて横顔を見つめる


……うん、格好を整えたら仙人様みたいな神々しさが出そうな


儚い雰囲気を漂わせられそうな類の美人だ


今度閑雲おばちゃんにでもお願いして衣装を見繕ってもらいたいな


ん、いや…。この歳になってただの幼馴染が女の子に服を贈るってやっぱり問題かな


『あ、そうだ。少し休憩してもいい?』


色んな考えを頭の中で巡らせていると不意にこちらを向いたAと目が合ってドギマギする


嘉明「…っいいぜ、もちろん!タイミングはAに任せるからいつでも言ってくれよな」


近くの大きな岩の上に座る


オレも荷物を近くに置いてAの隣に立った


嘉明「その、冷たくないか?何か敷いた方が…」


女の子は体を冷やさない方がいいって言うよな?


『大丈夫だって、もうそんなすぐ体調崩す弱っちいやつじゃなくなったんだから

…それよりほら。家からお茶を持ってきたから嘉明も飲もう』


水筒と茶碗を二つ


オレが置いた荷物の中から取り出して茶を注ぐ


『はい、水出しだから渋みも少なくて喉が乾いた時にぴったりよ』


嘉明「ありがとな」


Aから茶碗を受け取って鼻を寄せる


やっぱり、翹英荘の茶はどこで飲んでも美味いし落ち着く


自覚はなかったがオレも喉が渇いていたようでAから貰った茶はものの数分で飲み干してしまったのだった

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おりんぽす(プロフ) - るみさん» 率直なご感想ありがとうございます!とても嬉しいです☺️更新のモチベにつながります˚✧₊⁎ (2月26日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - 好きです(コメント失礼します)大事なことなのでもう一度言います(?)好きです!!! (2月26日 1時) (レス) @page38 id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 星空ブリキさん» 以前も万葉くんの小説にコメントくださいましたよね…?!変わらず応援してくださって本当に嬉しいし励みになりますありがとうございます😭!嘉明くん推しなんですね!彼の魅力を引き出せるよう頑張ります! (2月15日 10時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - おりんぽすさんの作品をいつも楽しく拝見してます! まさか推しの小説を書いている……………!!? めっちゃ嬉しいです! (2月14日 16時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2024年2月12日 21時

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