diary.2 ページ4
神子side
Aを拾ったのはつい半年ほど前
鳴神山の麓に落っこちていたのを妾が見つけたのだ
ひょんな事から懐かれてしまい
行く宛もなかったAを巫女として社に仕えさせることとした
そんな彼女は何事も飲み込みが早く要領が良い
ある日、Aからスメールにある教令院に行ってみたいと提案をされた
元よりここに縛りつけるつもりはなかったので了承したものの
まさか本当に教令院に入れるほどの逸材だとは
本人の口から聞くまでは思ってもみなかったことなのである
そして、
『神子さまと離れるのは寂しいです…』
まるで耳と尻尾のついた子犬のようにしょんぼりと項垂れるA
神子「行きたいと言い出したのは自分であろう？」
『そうですけどぉ……うう〜』
全く、しょうがないやつめ
本当に手のかかる子を拾ってしまったものだ
首をたれるAを慰めるように屈んで視線を合わせる
神子「寂しくなったらいつでも戻って来て良いぞ、ここは其方の家でもあるのだからの」
そう言って微笑みかけてやれば
先程の憂いは何処へやら
瞳を煌々と輝かせて見えない尻尾を横にブンブンと振っておる
『えへへ……神子さまにそう言ってもらえるなんて嬉しいです』
思ったことは躊躇わずに素直に口にする
裏表のないこやつがスメール教令院に行って世の穢れに巻き込まれてしまわぬか
多少心配はしているつもりだ
神子「ほれ、いつまでそう甘えたを続けているつもりじゃ
早う行ってくるといい」
Aの肩をトンと押し出し
紙垂を振るう
この子の旅路に、災難が降り掛からぬよう
祈りを込めて…
『いってきます！』
元気よく鳴神山を降りていくAの背中が小さくなってゆく
神子「…汝に、良い出会いがあらんことを」
子を見送る親の気持ちとはこういうものなのだろうか
柄にもなくそんなことを考えていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです！主さんの物語の構成など前作から感動してます！これからも頑張ってください！ (2月29日 21時) (
レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます！ (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます！とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです！ちょっとドジ(？)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます！更新の励みになりますううう！ (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おりんぽす | 作成日時：2023年11月27日 22時
