diary.27 ページ29
Aside
放浪者「もうここも閉まるよ、全く…起こしてやったんだから僕に感謝してよね」
まだ完全に意識が覚醒していなくて
私は放浪者のことをまじまじと見つめていた
その視線が気に障ったのか放浪者は眉間に皺を寄せる
放浪者「何…？僕の顔に何かついてるのか？」
『ううん……なんにも………』
でも、とても
顔もだけど、声も
夢の中で聞いた…
【僕なんて、生まれてこなければよかった】
そんなひどく寂しいことを言うあの声に
放浪者「はぁ、とりあえず起きたなら早く帰りなよ…僕は先に戻るっ……！？」
いつまでもぼうっとしている私を見限って背を向けた放浪者の手首を咄嗟に掴む
まだ夢から覚めかけていたばかりだから
つい変なことを口走ってしまったのかもしれない
夢の中に出てきた青年と
貴方がそっくりだったからーーー
『…生まれてきてくれて、ありがと』
そう口にしたら
何故か、ぽかぽかと心が満たされた
……って、いきなりこんなこと言われたらきっと
放浪者は君バカなの？とか言ってくるんだろうな…
先のことを想像して苦笑いしながら放浪者の様子を伺った
『……あれ？』
見間違いかと思って思わず目をパチパチと瞬きする
私の視界に飛び込んできたのは
いつもの強気で冷たい表情で蔑んでくる彼の表情じゃなくて
放浪者「……っな、何言ってるんだ…お前…っ？！」
頬をほんのり赤く染めて慌てふためく彼の姿
私が掴んでいる手首を離そうと抵抗しているようだけどなんだか弱々しい
もしかして、照れてる？
その考えに至った瞬間、私はニヤリと口角を上げた
放浪者「おい、離せ…って、なんで薄気味悪く笑ってるんだよ…？！」
こんな放浪者を見るのは初めてだけど
何故かとても嬉しくて
今までで一番、彼のことを知れたような気持ちになった
『そんなに照れなくてもいいのに』
放浪者「はぁ…？！僕は照れてなんかいない…！
大体君がいきなり、突拍子もなく、変なことを言うからだろう？！」
うん、まぁ確かにいきなり変なことを言った自覚はあるけど
滅多に見れなさそうな彼の新鮮な反応を見れて良かったかも？
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ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです！主さんの物語の構成など前作から感動してます！これからも頑張ってください！ (2月29日 21時) (
レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます！ (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます！とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです！ちょっとドジ(？)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます！更新の励みになりますううう！ (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりんぽす | 作成日時：2023年11月27日 22時
