diary.26 ページ28
Aside
授業の他にも、私にはやるべきことがあった
稲妻の歴史について調べること
合間を見つけては教令院の図書を漁って稲妻について調べる
案の定そう簡単にはいかないわけで
『う〜ん、まぁそうなるよねぇ…』
私の頭の中でのお話だもん
何か稲妻と関係あるんじゃないかと思っていたけど
やっぱりそんなことあるわけないか
稲妻の歴史については結構隅々まで調べ尽くしたと思う
それでも人形と桜の木についての記載がないのは
『私の夢物語ってことか…ん〜、残念』
こんなにハッキリと私の頭の中にあるのに…
パラパラと本のページを捲りながら頬杖をつく
そんなことを繰り返していると…
段々と瞼が重くなっていくのを感じていた
『ふあぁ………』
脳が酸素を求めているようだ
思いがけず大きなあくびが出てしまう
こんなところで寝るわけには…
寝る、わけ………に、は………
ーーーーー
ーーー
ー
人形の青年は
心を欲しがった
それと同時に
心を拒絶した
青年は神に成り代わろうとした
神の器であった自身に心を入れて
その試みは失敗したけれど
神の心を失った青年は
空っぽのまま涙を流した
空っぽで…
否、青年には心がないなどと誰が言ったのだろうか?
そんなことは…誰一人として
言ってはいない
青年は気づいていなかった
内から湧き上がる怒り、悲しみ、虚しさ
それら全ては心なのだと
「僕なんて、生まれてこなければよかった」
そう思うことも
涙を流すことも
全て、貴方に心があるからでしょうーーー?
ーーーーー
ーーー
ー
放浪者「こんなところで寝ているなんて、教令院の学生としてどうなのかな?」
………ん
何か聞こえる、ような
放浪者「入学早々不真面目だと噂されてもいいのかい」
もしかして
私に話しかけている、のかな…
『ん………』
パチリと目を開ける
一気にクリアになる視界
目の前にはつまれた教科書と紙とペン
私、何して……
放浪者「ようやくお目覚めか」
先程からまどろみの中で聞こえていた声がすぐ隣でしたものだから私はパッとそちらを見やる…
呆れ顔の放浪者が机に伏した私を見下していたのだった
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ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです!主さんの物語の構成など前作から感動してます!これからも頑張ってください! (2月29日 21時) (レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます! (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます!とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです!ちょっとドジ(?)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…!!更新頑張ってください!楽しみにしてます!! (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます!更新の励みになりますううう! (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりんぽす | 作成日時:2023年11月27日 22時