検索窓
今日:28 hit、昨日:42 hit、合計:13,591 hit

diary.20 ページ22

放浪者side


嫌だ、降ろされたくないと


同じように駄々をこねるやつがいたっけ


でも僕が思い描くあいつはもういない


それなのに


どうして僕はこの知り合ってまもない鈍臭いやつを


放っておけないのだろうか


放浪者「………っ」


ぐるぐると渦巻く感情を消化しきれずに黙って歩き出す


僕の背中の上にいる女は満足そうにしているに違いない


違う、お前じゃないのに


そう思うのにどうしてだ


ーーーーー


ーーー





宿につき部屋のベッドに黙ってそいつをおろした


『ありがとう、やっぱり今度お礼させてね放浪者!』


放浪者「気安く呼ぶな…鈍臭」


酷いな!と言いながらも笑う


表情がころころ変わる本当に忙しいやつだ


付き合ってると僕が疲れる


『Aって名前、ちゃんと覚えてね?』


もう何回も聞いた


覚えているけど別に呼ぶつもりはない


というか覚えろだって?僕のことを馬鹿にしすぎじゃないか


放浪者「ふん……、馴れ馴れしいんだよ君」


顔を逸らして部屋から出ようとすると


『あああ待って!手ぬぐい洗って返すから!

えーーっと……明日、は色々教令院で手続きがあるから…

2日後に教令院で会おう?約束っ』


僕に小指を差し出してくる、無垢な瞳


どこまでお人好しの馬鹿なんだか…


はぁ、と一息ため息をつく


それより……


放浪者「無理しないで早く寝たら?顔が魚の腹みたいに真っ白だよ

それじゃあね」


『え?嘘!って………』


待って〜!と声を上げながらも流石にもう追ってくる気力はないようだ


いや追ってこられたら気絶させてでも次は宿に強制送還してやる


数百年生きてきてあんなにしつこい奴は初めてだ


必要以上に関わることはないと


この時の僕はそう思っていた

diary.21→←diary.19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
132人がお気に入り
設定タグ:原神 , 放浪者 , スカラマシュ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです!主さんの物語の構成など前作から感動してます!これからも頑張ってください! (2月29日 21時) (レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます! (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます!とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです!ちょっとドジ(?)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…!!更新頑張ってください!楽しみにしてます!! (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます!更新の励みになりますううう! (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おりんぽす | 作成日時:2023年11月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。