花畑とおひめさま ページ43
『……よしっ、出来たわ！
ラギー！見て、この出来栄えはどうかしら？』
わたしはまさに今出来上がった花冠を自信満々にラギーの目の前に掲げる
ラギー「ん〜、前よりずっと上手くなったけど
少しほつれてるんスよねぇ」
ちょいちょいとほつれた所をつつくラギー
『…ラギーって意外に細かいわよね』
ラギー「意外って？！ どこが？！」
少し拗ねる彼をみてクスリと笑う
今の私は
間違いなく、とても幸せだ
ーーーーー
あのちょっとした事件の後……
ラギーはわたしを救ってくれた勇敢なNRC生として兄様に呼ばれお褒めを頂いたのだった
そんなこんなで、ラギーとわたしは今公認(？)の恋仲関係…というところである
でも城のみんなはいい顔をしなかった
NRCの生徒だからといってスラム出身者であるラギーと国王の妹であるわたし
身分が違いすぎて話にならないと
そうなることはわかっていた
でも、気にしないことにした
そうやって2人で過ごしているうちに周りもだんだん落ち着いてきたのだ
そして、「元」婚約者のティオ
私が悪い奴に襲われたと、あの時咄嗟に嘘をついた彼
彼がくれたチャンスを絶対に手放したくはなかった
あの後ティオに
どうしてあんな嘘をついたの？と聞いた
すると彼は
【貴女の幸せな顔が見れるかなって
そう、思ったからです】
そう言ったのだ
【嘘をつくのはいけない事よってそう言ったわたしに
人を幸せにする嘘は、僕は好きですよ】
笑顔でそんな事を言っていた
人を幸せにする嘘があるんだって、このチャンスと共に教えてもらった
ラギーはNRCを卒業したら一流の会社に就職してわたしを安心させてくれるらしい
そしたら2人で一緒に暮らそうか、とか
どんな家を建てようか、とか色々なことを話している
産まれてから一度も、城を離れた事のなかったわたしが誰かと2人きりで暮らす
それはちょっぴり不安で、でもとても楽しそうだ
ラギーと2人ならどこにいたって幸せ
『……やっとわかったよ、おひめさまの気持ち』
昔読んだ絵本を思い出しながらそう呟く
ラギー「え？何かいいました？」
不思議そうな顔をしてきょとんとこちらを見つめるわたしの愛しい人
『…ふふっ、秘密よ！ …っえい！』
抑えられなくなった幸せな気持ちと共にラギーに抱きついてそのまま花畑に倒れ込む
花々の優しい香りを、わたしは胸いっぱいに吸い込んだ
ーEndー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おりんぽす(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございます。ひっそりと書き始めたものだったので応援のお言葉を頂けるとは思わず、とても励みになりました。ゆっくりペースですが更新頑張っていきたいと思います。 (2020年9月22日 18時) (
レス) id: 8fe1ab7092 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 今日一気読みしちゃいました！めっちゃ楽しく読んでます！続きも楽しみなのでこれからも応援してます！ (2020年9月21日 22時) (レス) id: 4853e54ef6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おりんぽす | 作成日時：2020年5月30日 0時
