おとぎ話に憧れて

甘い香り ページ5

『出来た、完成〜〜〜！！！

甘くてとっても美味しそうな香り…！』


目の前に並んだ色とりどりのドーナツ達に達成感を覚えながら伸びをする


あとはーーーーー


『ラッピングをして完成ね！』


わたくしも手伝いますわ！とシシィが手際良くドーナツを箱に詰めていく


一体何個ドーナツを作ったのだろう


我ながらいつも、この数は圧巻だなぁと感嘆のため息を漏らした


シシィがわたしの横でドーナツの入った箱を並べていく中、


わたしはわたしで一つの箱に丁寧にドーナツを並べている最中


『うん、今回もかわいい装飾！いい買い物をしたわ』


『彼』…もといラギーに渡すドーナツ用の箱である


彼が大好きなドーナツを入れる箱も毎回別で特別に用意しているのだ


喜んでくれるかな…


ラギーにドーナツを渡すなんてもう何回もやってきた事だけど


毎回のことながら心臓は高鳴る


少し不安で


笑顔をみるのがとても楽しみ


この矛盾した感情に支配されながら彼にドーナツを渡すのだ


シシィ「姫様！こちらは全て箱に詰め終わりました！
このドーナツ達はいつものようにケースに入れておきますわね」


『ありがとうシシィ、よろしくね！』


お礼を告げるとシシィは足早に厨房から去っていった


…よし


わたしもわたしで、準備しないと


エプロンの紐と髪を纏めていた紐を解いて


シシィに続き厨房を出た

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