宣戦布告 ページ39
ティオに思いっきり抱きしめられたわたしの頭の中は思考を停止させた
え、え？ わたし今ティオに抱きしめられてる？
ちょっと待って
わたし男の人に抱きしめられたの、初めてよ
いや、チェカにはたくさん抱きしめられたことはあるけれど…
それとこれとは別で…
とにかく
初めて同年代の男性に抱き寄せられたわたしは何を思ったのか
『き……ぃっ、、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ？！？！？！』
気がついたら思いっきり叫んでいたのだった
ティオ「えっ！！あっ、ご、ごめんなさい！！！
そんなに驚かれるとは？！？！」
いきなり耳元で大きな声を出されたティオは抱きつかれて混乱しているわたしよりもビクビクとしていた
『わ、わたしこそ、ごめ…その、は、初めてだったから…驚いて…』
ごにょごにょと情けない声でそう呟く
ティオ「え？ ごめんなさい、Aさん今なんて…」
ティオがわたしの言葉を聞き返そうと身をかがめてわたしに近づいたその時
『…え』
ティオ「わわっ…！？」
一瞬だった
音も何も聞こえなかったから
何が起こったのか全くわからなかったのだけど…
いきなりの浮遊感にとっさに目を瞑ってしまったけど
とりあえず再び混乱し出した頭の中を整理する
…間違える訳がない
わたしが
このほんのり甘く香るドーナツの香りは…
お日様みたいな、柔らかくて力強い香りは…
そろそろと目を開ける
真っ先に視界に映ったの山吹色のスカーフ
少し目線を上げた先に
わたしの大好きな
彼の、雨が降る前の空色の瞳が映る
幻？と一瞬思ったけど
わたしを抱きしめる温かい腕がその考えを否定する
本、物……だ
『ラ、、ラギー………？』
自分の中でもう一度、確かめるように囁く
すると目の前の彼はニコリと笑った
ラギー「…シシシッ、お迎えに来ちゃいました
ってか、何で疑問形なんスか？！」
…いつものラギーだ
わたしの、わたしの大好きな…
ティオとわたしの間を風のように通り抜けその際にわたしのことを抱きかかえたようだ…
今はラギーにお姫様抱っこをされている状態になる
ラギー「大分混乱してますね？
まぁ事情はちゃんと後で話しますから
…その前に」
ラギーはわたしを丁寧に地面に下ろすと
呆気にとられているティオに向き直り、獣が獲物を狙うようにギロリと睨みつけた
ラギー「そこのお兄さんにちょっとばかし、事情を聞かせてもらうっス」
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おりんぽす(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございます。ひっそりと書き始めたものだったので応援のお言葉を頂けるとは思わず、とても励みになりました。ゆっくりペースですが更新頑張っていきたいと思います。 (2020年9月22日 18時) (
レス) id: 8fe1ab7092 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 今日一気読みしちゃいました！めっちゃ楽しく読んでます！続きも楽しみなのでこれからも応援してます！ (2020年9月21日 22時) (レス) id: 4853e54ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりんぽす | 作成日時：2020年5月30日 0時
