赤い林檎 ページ24
ーラギーsideー
ドクドクと
心臓がうるさく暴れている
だって初めて見た
Aちゃんの本気で照れた顔
俺がさせたんだ
もっとみたい……
もっと………
林檎のように真っ赤に染まった彼女の頬に触れようと
手を伸ばす
『………ッ！！
ラ、ラギー！！！』
ラギー「えっ？！？！……っわ！！」
今の今まで微動だにしなかった彼女がいきなり動き出したものだから俺は慌てて手を引っ込めた
ラギー「って……、あれ？」
頭の上に何か乗っている？
『わ、わたしの作った花冠もラギーにあげるわ！
ちょっと下手くそだけど……
……えっと、その、、、指輪、ありがと』
凄く嬉しい、と消え入りそうな声で俯く彼女
俺の頭の上には、ところどころ茎がほつれた花冠
ラギー「……俺には勿体ないなぁ」
男が花冠なんて変な感じだけど
中々悪くないかもな、なんて思った
あーー…でも１つ
ラギー「Aちゃんはきっと花冠作るのも上手になると思うッスよ？」
『…え？ ど、どうして？』
やっとこっち見てくれた
俯いて陰っていたエメラルドグリーンが日の光を浴びてキラキラと輝く
ラギー「だって、あんなに美味しいドーナツ作れちゃうんスもん
ぜーーーったいに上手くなるッス！」
シシシッと笑って見せるとあからさまにAちゃんが狼狽えているのがわかる
『な、なななな何で知ってるの…？！？！？！』
その姿が面白くてついつい笑ってしまう
ラギー「さーて、何ででしょうねーー？」
両腕を頭の後ろに上げて歩き出す
すると後をすぐに追いかけてくる俺より少し小さい影
もう、こんな時間か
『ちょっと！意地悪よ！教えてくれるまで逃がさな……ッン！！？』
いきなり立ち止まるとAちゃんが勢いよく俺の背中に顔をダイブさせた
くるりと後ろを振り返る
ラギー「……シシシッ、鼻が赤い
残念ですがお姫様、今日はもう帰る時間ッスよ
みんなが心配する」
『……ぜったい、こんど聞いてやるんだから…』
あらら、また拗ねた顔
ラギー「今日は楽しかったッスか？」
分かり切っている答えをあえて質問する
『……ちっとも楽しくなかったわ』
フイと彼女は顔を横に逸らす
ラギー「…え？！」
予想外の答えに俺はこの後返す言葉を見失ってしまった
困り顔の俺をみて目の前のライオンはいたずらな笑みを浮かべた
『嘘よ！すっごく楽しかったんだから』
その笑顔は
今日1番の笑顔だった
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おりんぽす(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございます。ひっそりと書き始めたものだったので応援のお言葉を頂けるとは思わず、とても励みになりました。ゆっくりペースですが更新頑張っていきたいと思います。 (2020年9月22日 18時) (
レス) id: 8fe1ab7092 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 今日一気読みしちゃいました！めっちゃ楽しく読んでます！続きも楽しみなのでこれからも応援してます！ (2020年9月21日 22時) (レス) id: 4853e54ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりんぽす | 作成日時：2020年5月30日 0時
