464 ryu ページ21
『隆二君。』
呼び止める声を無視して、とにかく歩き続ける俺の後を小走りでついて来る。
行く当てもなく歩いていたら、どこかの境内に続く石段の前。
『ねぇ、待って。』
黙って石段を登り始めた俺を追かけてくる。
ヒールでこの石段は、きついだろうなぁ。
『っ・・はぁ、はぁ、はぁ。』
静かな境内。
聞こえてくるのは、Aちゃんの息遣いだけ。
『はぁ、はぁ、隆二。』
階段を登りきったところで名を呼ばれて、振り返った。
大きく肩を揺らしながら、呼吸を整えているAちゃん。
「大丈夫?」
『・・・綺麗。』
「え?」
『桜、満開だね。』
Aちゃんの視線に誘われるように、1本の立派な桜の木に目が留まる。
俺の横を通りぬけて、その桜の木に近づいてゆく。
風に舞った花びらがAちゃんに降り注ぎ、姿を隠してしまいそうだ。
「A。」
思わず駆け寄り、強く抱きしめる。
『りゅ、隆二?』
「・・・A。」
俺の震える声に気づき、心配そうなAちゃん。
『どうしたの?』
「ううん。」
そっと体を離すと、ふわっと優しい風が二人を包み込んだ。
Aちゃんの唇に、花びらがくっつく。
あの時と同じだけど、同じじゃない。
「好き。」
一瞬だけど思いを込めて、唇に触れる。
Aちゃんの唇から俺の唇に移ってきた花びらが、ひらひらと落ちてゆく。
「好きになっちゃいけないって、諦めようとした。」
臣の大切な人でもあるから。
「誰かを好きになろうとしたけど、ダメだった。」
臣ほどではないが、俺だってモテる。
その気になれば・・・でも結局、Aが好きだってことを思い知らされて。
「どうしようもなく、好きなんだ。」
その涙の意味は?
俺を見つめる瞳から、ぽろぽろと零れ落ちてゆく。
ごしごし擦って涙を拭うAちゃんの手を掴むと、その手をやんわりと振りほどかれた。
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薫(プロフ) - 明日から、予約ですね!手元に届くのが、今から楽しみです( ´∀`) (2018年7月9日 16時) (レス) id: becf62c358 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はいEXILEライブ来年観に行くので楽しんで来ます昨日三代目のrainbow7人の踊り最高でしたねもうすぐ臣君のソロアルバムと隆二さんのソロアルバム特典予約します(*≧∀≦)人(≧∀≦*)♪ (2018年7月8日 20時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ユキさん» 活躍する姿を見る機会が増えて嬉しいですね。ライブ、楽しんで来て下さいね!また、感想を聞かせて下さい(*^_^*) (2018年6月29日 19時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 03061129akoさん» 温かいお言葉、励みになります。いつも通りってどんなだっけ?となっている自分に戸惑いつつ、こうだったなぁと一つ一つ取り戻しているような不思議な感覚です。コメント、ありがとうございました。 (2018年6月29日 19時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 薫さん来月七夕と音楽の日に三代目とEXILE出るから楽しみです私今年初めてEXILE単独ライブ観に行きます(*>ω<*) (2018年6月29日 19時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2018年3月3日 10時