久恋4

199 friend & alan ページ50

柚希side


「あれ、皆は？」


隣に居たはずのAもいない。

さっきまで一緒だったはず。

いつ、はぐれちゃったんだろう。

キョロキョロと辺りを注意深く見ながら、歩みを進めた。


「うわぁ、きれー。」


ん、この声は？


聞こえた声を頼りに、近くにいた男性に声をかけてみる。


「アラン君？」


声をかけた男性の隣いた男性が振り向いた。


玲「柚希さんだ。」

ア「一人で大丈夫でした？」


よかった、この二人で。全くの他人だったら、どうしようかと。
別の道から来たらしいアラン君たちと、奇跡的に合流できたみたい。


ア「この先に進んでみます？」


見物客がいてもこの暗さなら、はっきりと判別されることはないかな。


せっかくならと、桜を見ながら歩みを進めた。


玲「あ・・・。」

ア「どうし・・・あっちの道を探してみません？」


不自然な行動をしだす二人。

直進させまいと、私の腕を掴み別の道へ連れて行こうとする。


「この道を真っ直ぐって、この看板に書いてるじゃない。ほら、い･･･直人？」


あそこにいるの、直人とAだよね。

そこで、何してるの？

胸が苦しくなって、その場から逃げだした。




alan side

玲「柚希さん！！」

ア「待って下さい！」


あっという間に行ってしまった。足、速すぎですよ。

人の波に紛れてしまった柚希さんを見つけることが出来ない。

仕方なく、直人さんたちを追いかけた。

もう何してんすか、直人さん！！

直人さんたちに追いつき、経緯を話す。

Aさんが、今来た道を引き返し出す。


ア「Aさん、一人でうろついたら危ないから。」

『大丈夫、見つけたら連絡して。』


タタッと走って行ってしまう。

着物で下駄なのに、Aさんも足速くないですか？


直「悪いな、巻き込んで。」

ア「俺らじゃなくて、柚希さんに謝ってあげて下さい。」

直「そうだな。」


素直に返事する、直人さん。

大事な人は、泣かせちゃいけませんよね。

早く、見つけないと。

それぞれ道を分かれて、二人を探して走り回った。




読者のみなさまへ

いつも私の拙いお話を読んで頂き、ありがとうございます。
お話がいっぱいになってしまったようなので、「久恋５」へ移行致します。
準備が整いましたら、更新させて頂きます。

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