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案内された部屋は、奥にある離れの一室。
とても愛想のいい中居さんが部屋や施設の説明を丁寧にしてくれた。
話し上手でもあった中居さんと話が弾んで、いろいろお薦めの観光地を教えてもらう。
お茶を用意してくれてから、長居してごめんなさいねって頭を下げて部屋を出て行った。
『素敵な場所が、たくさんあるんだね。明日が楽しみ♪』
「夜桜祭り、行ってみたくない?」
『行きたい。着物のレンタルも出来るし、着てみようかな。』
「いいじゃん。着物姿、見たい。」
『まだ夕飯まで時間あるし、今から選びに行ってくる。』
「俺も行く。」
『お楽しみってことで。』
「俺、留守番?」
『じゃ、行ってきます!』
広臣を残して、フロントへ向かった。
係りの人に案内されて、試着室へ。
鏡の前に立って、偶然背後の人が視界に入る。
ん?
『柚希?!』
「A?!」
鏡の中で目が合い、同時に振り返った。
「すごい偶然。」
『うん、本当にね。』
お互いに着物を選んで、明日の着付けを予約した。
同じ離れの一つに柚希たちも宿泊しているらしく、一緒に食事しないかと誘われた。
広臣に相談してから連絡すると約束し、お互いの部屋へと戻った。
静かな室内。
畳に寝転がっている広臣。
起こさない様に、そーっと近づく。
「おかえり。」
『起きてたの?』
「待ってたの。」
言い方が、可愛い。
『ごめんね(笑)』
「笑ってるし。」
『あ、そうだ。さっきね、柚希に会った。同じ離れに泊まってるみたい。』
「やっぱり。見たことある車が、停車してると思ったんだよなぁ。」
体を起こして、私を抱きしめてくる。
『夕飯を一緒に食べないかって誘われた。』
「どうしたい?」
顔を覗き込んでくる広臣。
「Aに任せるよ。」
『広臣と二人きりがいい。』
「俺もそうしたい。」
チュって頬にキスをされ、俺から直人さんに連絡しとくって言ってくれた。
夕飯までの間、穏やかな時間が二人を包み込んだ。
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薫(プロフ) - さなさん» 書きたいお話は浮かんでいるのに・・・。力不足ゆえ、ここにきて文章に悩まされております。早く、臣君を登場させたいのに^_^; (2017年4月21日 2時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» こちらこそ、コメント励みになっています!ありがとうございます(^o^) (2017年4月21日 0時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 危ない危ない直人さんとはなんでもないでいてほしい(;・∀・)主人公ちゃんすこし鈍感?でよかったです(笑)やっぱり隆二くんは笑顔でいてほしいですよね(///∇///)臣くん達どこいったんだろー(´・ω・`)? (2017年4月21日 0時) (レス) id: 086076e246 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - いつも丁寧なお返事ありがとうございます♪ 良かった☆楽しみにしてます♪♪(*≧∀≦*) (2017年4月20日 23時) (レス) id: 9651774a8c (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» お気遣いありがとうございます。今ですね、書くのがちょっと楽しくて。無理のない範囲で、更新させていきますね。いつもありがとうございますm(__)m (2017年4月20日 23時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2017年3月15日 23時