久恋4

181 omi ページ32

俺の腕の中で、上がった息を整えていたAに話しかける。


「来週、休み取れた？」

『うん、大丈夫。火曜を半休、水曜・木曜を有給にしてくれた。』

「良かったな。」

『うん。』


嬉しそうに笑うA。いいよねぇ、この笑顔。

これを見る為なら、なんでも頑張れるわ。


「嬉しい？」

『すっごく。』

「楽しみ？」

『うん。広臣は？』

「めちゃくちゃ楽しみ。」

『早く来週にならないかなぁ。』

「なぁー。火曜は、Aの仕事が終わったら出発しようか。」

『ボイトレ、午前で終われるの？』

「当たり前でしょ。」

『さすが！火曜は、着いたらゆっくりして。水曜と木曜で、観光だね。』

「俺の大きいキャリー使ったら、二人分の荷物をまとめられるし。」

『やばーい、今から行きたいくらい。』

「俺も。旅行中、さり気なくお揃いコーデにしような。人目は気にせず、楽しもう。」

『ありがとう、広臣。』

「ん？」

『時間を作ってくれて。』

「俺の為でもあるから、いいの。それよりさ、ちょっと体冷えてきたよね。」


つつーっと背中に指を這わせて、胸元に触れる。


『・・・あっ、ンッ・・・ちょ、やっ。どこ触ってんのよ。』

「まだ、いけるでしょ？」


ニィッと笑って覆いかぶさる。

口づければ、俺に応えてくれるA。

宣言通り、俺で充たしてあげる・・・。

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