179 you&ryu ページ30
you side
社の飲み会以降、慌ただしい日常ですれ違いの時間が増えている。
私が寝てる時間に帰ってきて、起きる頃には居ない。
もしくは、泊まりで帰ってこない。
音楽番組から、広臣の声が聞こえてきて切なくなった。
こんな時は、広臣のパーカーを勝手に着て寂しさを紛らわす。
ちびちびとお酒を飲み、ぼーっとテレビを見ていたら、携帯の着信。
「もしもーし、Aちゃん?」
Aちゃん?酔ってんの?
『もしもし?』
「今何してんの?」
『テレビ見てる。皆が映ってるよ。』
「一人?」
『うん。ここ最近ずっと、一人。』
伝わるかな。
「・・・寂しいね。」
そう思うなら。
『傍にいてよ。』
「えっと、Aちゃん?」
Aちゃんって、ふざけてんの?
『いつもみたいに、名前呼んでよ。』
「A。」
『ん。』
胸がきゅーってなる。
「A?」
『会いたい。』
「俺も。」
『大好きだよ。』
「俺、」
「なぁ、何してんの?」
突然聞こえた声に驚いて振り向くと、無表情の広臣が立っていた。
ryu side
Aちゃん、何してるかなぁ。
最近、顔見てない。声だけでも聞きたい。
携帯を取りだして、Aちゃんの番号を表示する。
いいよね、ちょっとだけなら。
思い切ってかけてみた。
「もしもーし、Aちゃん?」
『もしもし?』
「今何してんの?」
『テレビ見てる。皆が映ってるよ。』
「一人?」
『うん。ここ最近ずっと、一人。』
だよね。臣、忙しいもんな。
「・・・寂しいね。」
『傍にいてよ。』
「えっと、Aちゃん?」
もしかして、臣と間違えてる?
『いつもみたいに、名前呼んでよ。』
切ない気持ちが伝わってくる。
「A。」
『ん。』
甘い声・・・今だけは、臣になってあげる。
「A?」
『会いたい。』
「俺も。」
『大好きだよ。』
わかってる、俺に向けられた言葉じゃない。
でも、答えたい。
「俺、」
「なぁ、どうなってんの?」
携帯の向こう側で聞こえた臣の声。あぁ、終わっちゃった。
918人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薫(プロフ) - さなさん» 書きたいお話は浮かんでいるのに・・・。力不足ゆえ、ここにきて文章に悩まされております。早く、臣君を登場させたいのに^_^; (2017年4月21日 2時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» こちらこそ、コメント励みになっています!ありがとうございます(^o^) (2017年4月21日 0時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 危ない危ない直人さんとはなんでもないでいてほしい(;・∀・)主人公ちゃんすこし鈍感?でよかったです(笑)やっぱり隆二くんは笑顔でいてほしいですよね(///∇///)臣くん達どこいったんだろー(´・ω・`)? (2017年4月21日 0時) (レス) id: 086076e246 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - いつも丁寧なお返事ありがとうございます♪ 良かった☆楽しみにしてます♪♪(*≧∀≦*) (2017年4月20日 23時) (レス) id: 9651774a8c (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» お気遣いありがとうございます。今ですね、書くのがちょっと楽しくて。無理のない範囲で、更新させていきますね。いつもありがとうございますm(__)m (2017年4月20日 23時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:薫 | 作成日時:2017年3月15日 23時