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掴んだ私の手を振り払おうと男性が腕を思いきり動かす。
その勢いで私の手が腕から離れ、反動で体が近くのテーブルに倒れ込んだ。
柚希「A!」
ガシャーンってガラスやお皿の割れる大きな音が、店内に響いた。
女「キャーッ!!」
沙耶「Aさん!」
男1「ちょっと!」
男2「どこ行く気ですか。」
一緒にいた男性社員二人が、その場を離れようとした酔っぱらいの男性を捕まえる。
「名前?!」
岩「何、どうしたの?!」
健「すごい音・・・Aちゃん!」
広臣たちが慌てて駆けつけてきて、助け起こしてくれる。
「A、怪我してない?」
『うん。』
あーぁ、服がグチャグチャになっちゃった。
ゆっくり立ち上がると、柚希たちに怒られ店から追い出されている男性の後ろ姿が視界に入る。
沙耶「Aさん、ごめんなさい。」
『沙耶ちゃんは、何も悪くないし。大丈夫だよ!それより、大騒ぎになってごめんね。皆さんもすみませんでした。』
駆けつけてくれた店員さんたちが、片付けてくれている。
『あの、皆さんにお願いが、』
敬「俺、歌いたくなってきたなぁ。」
沙耶「私、店長さんに聞いてきます!」
ア「俺、DJしちゃおうかな。」
柚希「司会と打ち合わせしてくる!」
『皆さん、ありがとうございます。』
しばらくすると、店内に音楽がかかり敬浩さんたちが歌ったり踊ったり始める。
社員たちも、メンバーに煽られて騒ぎ始めた。
とりあえず、汚れた服を着替えたいなぁ。
直己さんに貰った服があるけど、穿くものがない。
困っていると、顔馴染みの女性店員さんが声をかけてくれた。
店員「橘さん。着替えあります。私のでよければ、貸しましょうか?」
『いいの?穿くものだけ、借りれる?』
店員「予備で置いてた分のジーンズがありますよ。こちらで、どうぞ。」
スタッフルームに案内されて着替えをすませ、怪我をしていた右手の手当てもついでにしてもらった。
『ありがとう。』
店員「いいえ。返却は、いつでもいいですから。急ぎませんので。」
スタッフルームから戻ってきた私の右手に気づいた沙耶ちゃんの顔が泣きそうに歪む。
『大丈夫だよ、大した傷じゃないから。ねっ。』
にこっと、笑いかけた。
沙耶「Aさーん。」
ぎゅっと抱きついてきた沙耶ちゃん。
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薫(プロフ) - さなさん» 書きたいお話は浮かんでいるのに・・・。力不足ゆえ、ここにきて文章に悩まされております。早く、臣君を登場させたいのに^_^; (2017年4月21日 2時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» こちらこそ、コメント励みになっています!ありがとうございます(^o^) (2017年4月21日 0時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 危ない危ない直人さんとはなんでもないでいてほしい(;・∀・)主人公ちゃんすこし鈍感?でよかったです(笑)やっぱり隆二くんは笑顔でいてほしいですよね(///∇///)臣くん達どこいったんだろー(´・ω・`)? (2017年4月21日 0時) (レス) id: 086076e246 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - いつも丁寧なお返事ありがとうございます♪ 良かった☆楽しみにしてます♪♪(*≧∀≦*) (2017年4月20日 23時) (レス) id: 9651774a8c (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - あいさん» お気遣いありがとうございます。今ですね、書くのがちょっと楽しくて。無理のない範囲で、更新させていきますね。いつもありがとうございますm(__)m (2017年4月20日 23時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2017年3月15日 23時