久恋4

＊151 omi ページ2

自分の部屋に戻って、昨日なかった物が視界に入る。

手に取ったリングケースには、俺の指輪だけ。

添えられたメッセージカードに目を通す。


《今度は、無くさないでね！A》


すぐにピアスを外して、二人で選んだ指輪を嵌める。

ノックする音が聞こえて、ドアが開く。

入ってきたAの薬指を見て、口元が一瞬緩む。

なんだかんだ、いつも先に歩み寄ってくれる。


『あの...』

「俺のせいで、嫌な思いさせてごめん。」


謝られる前に、俺が謝らないと。

元々の原因は、俺の行動が原因なんだし。


『私も、ごめんね。あの、やっぱり美鈴ちゃんに返してもらっていいかな。』

「勿論。」

『ありがとう。それだけだから。じゃ、ゆっくり休んでね。』

「俺一人で？」


部屋に戻ろうとしたAを捕まえて、後ろから抱き締める。


「一人で寝られないって、言ってるでしょ。さ、一緒にお風呂入って寝るよ。」

『え？やだよ、ちょっと。』


文句を言いながらも、俺につれられて自分の部屋のバスルームに向かうA。



「･･･A？」


気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。

嘘でしょう？！

風呂場で、ちょっとガッツきすぎたかなぁ。


「ちょっと、起きて。」

『･･･んー、もう飲めない。』


ダメだ、完全に寝てる。

いや�・、困った。

さすがに、寝てるところを襲うわけにはいかないし。


「泣かせた罰だな。」


Aの隣に、ごろんと寝転ぶ。


穏やかな寝顔をこっそり写メる。

メンバーのグループLINEに、二人並んで指輪も写るよう撮って送った。

すぐに既読がつく。

心配かけたなぁと改めて反省。

メンバーとやり取りしている内に、寝落ちしていた。

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