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『ところで、広臣。知らないってどういうこと?』


テーブルのお酒に伸ばしかけた広臣の手が、ピタッと止まる。


『私、からかわれてる?』


自分で言ってて、悲しくなる。


「それは、絶対ない。」

『だったら、どうして?』

「敬浩さんに、つき合っている奴が居てもAが一番好きなのは俺だぞって言われたから。」

『それが、どうして知らないになるの?』


しばらくの沈黙のあと、ぽつぽつと話し出す広臣。


「昼間の2人を思い出したら、すごくお似合いで。もしかしたらAが本当に好きなのは、俺じゃなくて敬浩さんなのかもしれないって・・・始まりが始まりだったし、俺に流されているだけじゃないのかなぁって。いろんな事考えたら言えなかった、自分が相手だって。」


不安そうに揺れる瞳が、何かを求める様に見つめてくる。


『実はさ、広臣に一目惚れしたんだ。あの夏の日。』

「えっ?」


私の言葉に驚いている広臣の顔を見ながら、自分の思いを素直に伝えた。


『でもね、そのあとすぐ広臣に好きな人がいるって聞いちゃって。』


好きな人がいるって知ったときの胸の痛みを思い出し、言葉が詰まる。


『結局、どうしていいかわかんなくて。恋愛をさぼってきたこと、後悔したもん。』


泣きそうになるのを誤魔化して、ヘヘッと笑った。


「あの夏の日から、Aが俺の好きな人なんだよ。」


今度は、私が広臣の言葉に驚かされた。


『私?そんな・・・。』


広臣は、俯いた私の頬に手を添えて自分の方へと向かせる。

思ったより近い、広臣との距離。

「俺を諦めなきゃって、悩んだ?」

『悩んだよ。だから、仕事を詰め込んで気を紛らした。広臣の事を考えなくてもいいように。なのに、あの夜キスなんてするから。』

「だって、他の誰よりも俺を意識して欲しくて。それに、好きだって伝えたかったから。」

『キスで?』

「Aには、伝わったでしょ?」


ふわっと笑うかわいい広臣の笑顔に引き寄せられて、私は自分からキスをした。

すぐに唇を離したが、追いかけてきた広臣に捕らえられてしまった。

静かな個室に響く、唇が触れ合う音や二人の吐息。


『んっ・・ぁんっ・・・はぁっ・・。』

「・・・はっ・・んっ・・・んんっ・・・。」


ドタドタと近づいてくる足音に、仕方なく離す唇。

お互い名残惜しく見つめ合う。


『ねぇ、伝わった?』


答えの代わりに、再びキスをされた。

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設定タグ:登坂広臣 , 三代目JSoulBrothers , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ペコさんコメントありがとうございます。作者の全作品を表示してもらえれば、裏恋があると思います。18歳以上の指定になっているのでお気をつけ下さい。 (2017年3月14日 15時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - 二人の関係を読んで、こちらも読みに来ました。最初からドキドキです!裏恋はどーしたら読めますか? (2017年3月14日 13時) (レス) id: 35090dc084 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こいどんさん» こいどんさん、コメントありがとうございます。 (2016年10月23日 14時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
こいどん - 面白い! (2016年10月23日 14時) (レス) id: edfae532a4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いちにーにーごさん» こちらこそ、コメント嬉しかったので。更新頑張っていきますね! (2016年10月23日 1時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年10月7日 2時

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