31 omi ページ35
俺の腕の中で、ぐっすりと眠っているA。
俺らの担当でもなかったし、特に関わり合いもなかった。
すれ違ったら、業務的な挨拶を交わすだけ。
昨年の夏に行われた社の飲み会で、敬浩さんと話しているAを見かけた。
以前、敬浩さんがAをかわいいって騒いでいた事を思い出す。
そういえば、岩ちゃんや隆二も騒いでた気がする。
どんな人なのか興味がわいて、二人に歩み寄り話しかけた。
「敬浩さん、お疲れ様です。」
敬「臣、お疲れ。」
『お疲れ様です、登坂さん。』
敬浩さんの隣で、ニコッと笑いかけてくれたA。
かわいい。敬浩さんが騒ぐのわかる。
「お疲れ様です。えっと、」
敬「橘Aちゃん、29歳。独身。EXILE担当。現在、敬浩君の彼女候補です♪」
敬浩さんが代わりに答えて、Aの肩に腕を回す敬浩さん。
「あの、Aさんって呼んでもいい?」
『登坂さんの好きなように呼んでいただいて、大丈夫ですよ。』
「Aさん、俺の彼女候補なんてどう?」
敬浩さんの腕を外して、自分の腕をAの肩に回した。
敬「こらっ、俺のAちゃんだぞ。」
「『違います。』」
俺とAの声が、きれいにハモる。思わず顔を見合わせて、笑ってしまう。
「違います」って言葉が、ポロっと出た。
もうこの時には、心のどこかで芽生え始めてたんだろうなぁ。
飲み会後の日常は、A探しだった。
岩ちゃんと直人さんの話題に、Aの話が出たら耳を傾けたり。
社内のどっかで、ばったりAと会えたりしないかなぁって、無駄にうろついたり。
休みの日もAに会えるかもしれないって、筋トレしに来たり。
ある日、「もしかして好きな人できた?」って、隆二に言われたんだ。
俺、好きなんだなぁって感じた時には、すでに恋に落ちていたんだと思う。
すっげぇ、ベタだけど。
それから、ちょうど1年前と同じ飲み会でAと隣り合わせたのは偶然だった。
この機会を逃したくないし、どう思われてもいいから俺を意識して欲しかった。
初めて唇に触れた時のAの反応を思い出す。逃げられたんだよなぁ。(笑)
逃げたAを追いかけて、自分の思いを込めてキスをした。
その思いが止められなくて、キス以上のこともしちゃったけど。
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薫(プロフ) - ペコさんコメントありがとうございます。作者の全作品を表示してもらえれば、裏恋があると思います。18歳以上の指定になっているのでお気をつけ下さい。 (2017年3月14日 15時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - 二人の関係を読んで、こちらも読みに来ました。最初からドキドキです!裏恋はどーしたら読めますか? (2017年3月14日 13時) (レス) id: 35090dc084 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - こいどんさん» こいどんさん、コメントありがとうございます。 (2016年10月23日 14時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
こいどん - 面白い! (2016年10月23日 14時) (レス) id: edfae532a4 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - いちにーにーごさん» こちらこそ、コメント嬉しかったので。更新頑張っていきますね! (2016年10月23日 1時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2016年10月7日 2時