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広臣たちが、料理を残さず食べてくれた。
しかもご飯のお礼にって、皿洗いまでしてくれて。
さらりとそういうことをやってくれるから、二人ともモテるんだろうなぁ。
「いつから?」
『ん?』
「臣君とつき合い始めたのって、いつから?」
『一昨日?昨日?(笑)』
「えっ?」
柚希に、今日までの経緯を話した。
「なるほどね。」
『もうすぐ2年だっけ、直人さんと。』
「色々とあったなぁ。正直、我慢や遠慮しなくちゃいけないこと、結構あるんだよね。頭でわかっていることでも気持ちが追いつけなくてさ、泣く日々もあったよ。今は、笑っていられることの方が多いけどね。」
『そっか。』
「Aには、前々から言うって私の中で決めてたの。」
『どうして?』
「遠慮しないで、直人を叱ってくれそうだから。(笑)」
『なにそれ。でも、柚希を傷つけるようなら、容赦なく文句言いに行くかな。相手が、どこの誰であろうと。』
さっきまで、ケラケラ笑っていた柚希の表情が、真剣なものに変わっていく。
「私もAと同じだよ。これからさ、芸能人・登坂広臣とも恋愛をしていくことになるんだよね。いつどんな風に、誰に傷つけられるかわからない。だからこそ、いつでもどんなときでもAが私の傍にいてくれたように、私も傍にいるから。直人も臣君だって。そのことだけは、この先なにがあっても絶対忘れないでね。」
彼女がさっき言っていた「頭でわかっていることでも気持ちが追いつけなくてさ、泣く日々もあった」って言葉がよぎる。そんな日々を幾度となく繰り返しながらも、二人今日まで乗り越えてきたのかな。
「真面目な話は、ここで終わり。ところで、臣君って上手?」
突然の質問に、ブハッと口に含んだチューハイを吹き出してしまった。
「ちょっと、汚いなぁ。」
『いや、それは。急にそんな質問してくるからじゃん。』
二人で、ギャーギャー騒いでいると皿洗いを終えた広臣たちが、戻ってくる。
直人「なーに、騒いでるの?」
「なんか、楽しそうだったけど。」
それぞれ私たちの隣に座り、新しいビールを開けて飲んでいる。
柚希「ん〜、知りたい?」
ニヤッと笑う柚希。
さっきまで普通に会話してたから全然気づかなかったけど、確実に酔っぱらっている。
直人「知りたい、知りたい。」
直人さん、煽っちゃだめです。今の彼女は、正常な判断できませんから。
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薫(プロフ) - ペコさんコメントありがとうございます。作者の全作品を表示してもらえれば、裏恋があると思います。18歳以上の指定になっているのでお気をつけ下さい。 (2017年3月14日 15時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - 二人の関係を読んで、こちらも読みに来ました。最初からドキドキです!裏恋はどーしたら読めますか? (2017年3月14日 13時) (レス) id: 35090dc084 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - こいどんさん» こいどんさん、コメントありがとうございます。 (2016年10月23日 14時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
こいどん - 面白い! (2016年10月23日 14時) (レス) id: edfae532a4 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - いちにーにーごさん» こちらこそ、コメント嬉しかったので。更新頑張っていきますね! (2016年10月23日 1時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2016年10月7日 2時