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「着いたよ。」
登坂さんに手を引かれて、1軒の素敵な隠れ家の中へ。
メンバーもよく利用している行きつけのお店らしく、対応に慣れた店員さんが素早く案内してくれる。こじんまりした個室で、横並びに密着して座る。
間接照明のおかげで、店内でも顔が判別しにくい。
一通り、2人で他愛のない話をしてお酒や食事を楽しんだ。
「A。」
『なに?』
「さっきみたいに呼んで。」
『臣くん?臣?・・・広お、んっ。』
突然のキスで、目を閉じる間がなかった。
「目、閉じろよ。」
瞼を閉じると、キスが深くなる。そのた度に体から力が抜けて凭れかかってしまう。
そんな私を支えるように、腰へ腕を回し抱き寄せてくれた。
「なぁ、今日も泊まってもいい?」
『だめ。明日の仕事、早いんでしょ。』
「でもさ、Aの部屋からの方が近いし。」
『まぁ、確かにそうなんだけど。』
「ねぇ、だめ?」
肩に顔を乗せて、見上げてくる。
ずるい・・・この甘え方。
『わかったよ、しょうがないなぁ。』
「やったぁ。」
無邪気な、広臣。昨日と今日の2日間だけで、いろんな顔を見せてくれる。
『んっ?あそこにいるの、今市さんと山下さんじゃない?』
店内を歩いている、二人。
「ほんとだ。相席でもいい?」
『私は、いいけど。』
「隆二に、連絡しよっと。」
携帯を取り出して、LINEしている。
携帯を確認した今市さんたちが、こちらを振り向いた。
「あ、気づいた。」
私にべったりとくっついたままの広臣が、二人に手を振っている。
驚いて駆け寄ってくる二人に対し、にこにこ笑っている広臣。
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薫(プロフ) - ペコさんコメントありがとうございます。作者の全作品を表示してもらえれば、裏恋があると思います。18歳以上の指定になっているのでお気をつけ下さい。 (2017年3月14日 15時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - 二人の関係を読んで、こちらも読みに来ました。最初からドキドキです!裏恋はどーしたら読めますか? (2017年3月14日 13時) (レス) id: 35090dc084 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - こいどんさん» こいどんさん、コメントありがとうございます。 (2016年10月23日 14時) (レス) id: 8420ac05d7 (このIDを非表示/違反報告)
こいどん - 面白い! (2016年10月23日 14時) (レス) id: edfae532a4 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - いちにーにーごさん» こちらこそ、コメント嬉しかったので。更新頑張っていきますね! (2016年10月23日 1時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫 | 作成日時:2016年10月7日 2時