Ｂｉｒｔｈ ＊

baby.77 ページ29

詠万『よしよしよし・・・カンナちゃんはいいこですねー』


1年後、詠万ちゃんは4歳、稜己くんは1歳になった。



詠万ちゃんは絶賛、おままごとに夢中ですっかりママになりきってる。



稜己くんは相変わらず元気ではいはいしながらにこにこ笑顔。


それを見守る広臣と私。


ある日、事件は突然訪れた。


詠万ちゃんが娘の人形カンナちゃんのミルクを作っていたとき、稜己くんがはいはい。



誰も何も気づかず、詠万ちゃんもにこにこ笑顔で。



すると、稜己くんはカンナちゃんの元へ。


そして・・・・



ぷちっ


カンナちゃんの腕を引きちぎっちゃった。


詠万『はい、カンナちゃーん、ミルクを飲み・・・』


『あららら、』



ずっと使い続けてきたカンナちゃん。

私が布で作った人形だから、簡単にびりびりと破れちゃって。



詠万『カンナちゃん・・・・』




広臣『・・・・苦笑』



こればっかりはなー。



『詠万ちゃん、大丈夫？』



固まっちゃって動かない詠万ちゃん。


中綿も出てきちゃってるから、もう捨てなきゃなぁ。



詠万『カンナちゃん、破れちゃった、』


『うん、でもね見て。

カンナちゃんのお手手ね、もうちぎれちゃってもおかしくなかったの。

よれよれだったからね。だから、稜己くんのせいじゃないの。』


詠万『・・・うん。』




『だから、捨てなきゃなぁって思うんだけど。』



詠万『・・・』



広臣『詠万。おもちゃっていつか壊れちゃうんだよ。詠万はカンナちゃんのこと大事にしてくれてカンナちゃん嬉しかったと思うよ。


だから、ありがとうしてバイバイしよう、な？』



詠万『・・・うん。』

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